(※画像はイメージです/PIXTA)

SNSの普及によって、誰もが手軽に情報を発信できる時代。便利になった一方で、会社や個人に対する匿名での心ない書き込みによる誹謗中傷が社会問題になっています。もし自身の会社や個人が被害にあったら、どのように対処すればいいのでしょうか。本稿では、弁護士である森大輔氏が、誹謗中傷で問題となる代表的な権利侵害の「名誉毀損」「侮辱」「プライバシー侵害」について詳しく解説します。

※本連載は、森大輔法律事務所が提供するコラムを一部抜粋・再編集したものです。

「名誉毀損」で削除ができる条件

■「名誉毀損」とは

名誉毀損とは、人の社会的評価を低下させる可能性のある具体的な事実を、不特定多数の人が知ることができる状態で示す行為です。

 

法律上、刑法230条(名誉毀損罪)および民法709条・710条(不法行為)の両方で問題となります。

 

■「名誉毀損」と認められるための条件

削除請求において名誉毀損と認められるためには、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。

 

ア.公然と:不特定または多数の人が認識できる状態のことです。WEB上の掲示板への書き込み、SNSへの投稿、ブログのコメント欄、Googleマップのクチコミなどは、誰でも閲覧できるので、「公然と」の要件を満たします。

 

イ.事実を摘示して:人の社会的評価を低下させるような具体的な事実を示すことです。「事実」とは、その内容が真実であるか嘘であるかに関わらず証拠などによって真偽を判断できる事柄を意味します。

 

ウ.人(法人も含む)の名誉を毀損した:「名誉」とは、その人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価(社会的評価)のことです。書き込みの内容が、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、その人の社会的評価を低下させると判断されれば、「人の名誉を毀損した」の要件を満たします。

 

エ.公共の利害に関する場合の特例:刑法第230条の2により、記事の内容が真実であれば、記事が公共の利害に関するもので、公益目的で公表された場合、違法な名誉毀損にあたらないとされています。したがって、書かれている内容が虚偽である場合には、書き込みの内容が虚偽であることを証拠に基づいて主張します。

 

書かれている内容が虚偽であることについて特段の証拠がない場合には、書き込みが公共の利害に関するものではないことや、公益目的で書かれたものでないことについても、削除を求める法律上の根拠として主張します。

 

■名誉毀損の具体例

・「L社長は異論を出した者を力で叩き潰して恭順を誓わせる」というGoogleクチコミ

 

・「M社は夜中まで休憩なく働かせるのに残業代を支払わない」旨の掲示板への書き込み

 

・「N医院の院長は結婚しているのに、奥さん以外の異性と不倫している」という身に覚えのない投稿

 

これらは書き込みが事実でないことの主張・立証と合わせて「名誉毀損」を理由として削除請求できます。

 

たとえば残業代を支払わないという虚偽の書き込みに対しては、給与明細などによって書き込みが真実ではないことの主張・立証と合わせて「名誉毀損」を理由として削除請求することができます。

次ページ「侮辱」で削除できる条件

※本連載は、森大輔法律事務所が提供するコラムを一部抜粋・再編集したものです。

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