海外居住者が関係する相続が抱える課題
戦後に渡米し米国で暮らしていた高齢の姉(当時99歳)が、日本で亡くなった妹の相続人となった事例があります。相続財産は古いマンション1室と、1億円を超える金融資産。預金は1,000万円ずつ十数の金融機関に分散されていたため、手続きは非常に複雑でした。
日本で突然妹が亡くなり、最も近い親族として米国在住の姉に連絡が入りました。姉の家族が来日して葬儀を執り行い、相続手続きを依頼、米国側と日本側の相続人で協力しながら相続手続きが進められました。
大きな課題は、相続人本人が超高齢かつ海外在住だったことです。日本で必要となる印鑑証明の代わりに、現地の領事館で署名証明を取得。LINEビデオ通話や翻訳ツールを活用してやりとりを続け、ようやく書類を整えることができました。さらに、相続手続き中に新しい通帳が発見され、分割協議書を再作成するなど、想定外の事態もありました。
最終的には、日本の不動産を日本国内の親族が相続・売却し、その代金を含めて金融資産と併せて分配。相続税の申告・納税は日本で行い、その後に残余資産を海外送金することで手続きが完了しました。
印象的だったのは、お姉さんは99歳というご高齢でしたが、「できる限り財産を自分のものにしたい」という希望を当初示されたことです。
最終的には、他の相続人の皆さんと納得できる合意をされたのですが、この事例は「高齢の相続人」「海外居住者」「国際的な手続き」が重なると、相続がいかに複雑になるかを物語っています。
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