親子関係には嫉妬の条件が揃っている
私たちの脳の中には「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞があります。1996年にイタリアの脳科学者によって発見されました。人は他人の動作を見ているとき、この神経細胞の働きによって、自動的にその人の真似をすることがわかっています。
イメージしやすい例でいえば、人があくびをしているのを見ていると、別に眠くもないのに自分もあくびをしてしまう症状です。厄介なことに、脳の発作でも同じことが起きます。他人の発作が脳のネットワークによって伝染してしまい、自分も発作を起こしてしまうことが起きるのです。
脳の発作の中でも、嫉妬の発作はより強いエネルギーで伝染します。まるで電気ショックを浴びるように、ダメージを与えられてしまうのです。
なかでも親子というのは、特に嫉妬の発作の連鎖が起きやすい関係です。親子関係には嫉妬の発作を起こす条件が揃っています。なぜなら、親から見れば「自分が育てたのだから自分の方が上」だという認識になるからです。だから、ちょっとでも子どもが親よりも優れたことをすれば、「ビビビッ!」と親の脳内で嫉妬の発作が起きて破壊的な人格になってしまいます。
発作を起こしている親がいると、それが子どもの脳に伝染して、「子どもが全然勉強をしなくなった!」とか「しちゃいけないことをするようになってしまった!」などが起こります。宿題を目の前にしても破壊的な人格になっているので、「面倒くさい!」となってしまうわけです。
こうした場合、一般的には、家庭内の環境が悪いから、子どもが親に注目してもらうために悪い子を演じているのではないか、と解釈をします。でも、親が注目をしたところで子どもが変わらない場合は、親の発作に感電し続けている可能性があります。
「親は子どもの幸せを願うものだ」という常識があります。もちろん、どの親に聞いても、「子どもの幸せを願わない親なんていない!」と、答えが返ってきます。でも「嫉妬の発作」は動物的な反応なので、意識できる範囲外で起きてしまうのです。
子どものためを思ってしていることが、実は子どもを破壊する言動になっていて、「どんどん子どもがおかしくなっていく!」現象が起きてしまうことがあるのです。以前、「子どもをダメにする親」が話題になりましたが、それは意図してやっているわけではなくて、動物的な発作で親自身がコントロールすることができないのです。

