●日経平均は11月に4.1%下げたが、一部値がさ株の影響が大きく構成銘柄全体の下げではない。
●実際、TOPIXは上昇、業種別では内需、規模別では小型、スタイル別ではバリューが選好された。
●米AI相場調整の日本株への影響は限定的、再び調整の際には、今回の各指数の動きが参考に。
日経平均は11月に4.1%下げたが、一部値がさ株の影響が大きく構成銘柄全体の下げではない
今回のレポートでは、11月の日本株のパフォーマンスを振り返り、特徴的な動きがみられたか否かを検証します(図表1)。検証期間は10月31日から11月28日までとし、まず、日経平均株価の騰落率からみていくと、この期間は4.1%下落しました。下げ幅は2,157円43銭で、マイナスの寄与度の大きい上位3銘柄は、ソフトバンクグループ(約2,054円)、アドバンテスト(約685円)東京エレクトロン(約239円)でした。
これら3銘柄の下げは、米人工知能(AI)関連銘柄の調整を受けたものと思われ、いずれも値がさ株のため、日経平均の下げ幅が拡大したものと考えられます。特にソフトバンクグループ1銘柄だけで、日経平均の下げをほぼ説明できてしまいます。ただ、日経平均を構成する225銘柄のうち、11月に下落したのは68銘柄にとどまり、157銘柄は上昇しているため、日経平均構成銘柄が幅広く売られる展開ではありませんでした。
実際、TOPIXは上昇、業種別では内需、規模別では小型、スタイル別ではバリューが選好された
実際、東証株価指数(TOPIX)や東証プライム市場指数は11月に、いずれも1.4%上昇しており、日本株全体が崩れた訳ではありません。次に、業種別指数の動きをみると、上昇率の大きい5業種は、鉱業、不動産業、建設業、電気・ガス業、医薬品で、下落率の大きい5業種は、情報・通信業、海運業、機械、非鉄金属、電気機器となっており、全33業種のうち、下落は7業種にとどまり、26業種は上昇しました。
規模別、スタイル別指数では、11月にTOPIX100(大型株)は0.2%、TOPIXMid400(中型株)は3.8%、TOPIXSmall(小型株)は5.1%、それぞれ上昇しました。一方、TOPIXバリューは4.0%上昇し、TOPIXグロースは1.1%下落しました。さらに規模に分けると、TOPIX500バリューは3.8%、TOPIXSmallバリューは6.6%と、いずれも上昇し、TOPIX500グロースは1.4%の下落、TOPIXSmallグロースは3.5%の上昇でした。
米AI相場調整の日本株への影響は限定的、再び調整の際には、今回の各指数の動きが参考に
また、外需・内需別では、日経平均外需株50指数が1.0%上昇、日経平均内需株50指数が7.5%上昇しており、そのほか、日経平均高配当株50指数は7.2%上昇、東証REIT指数は3.1%上昇となっています。以上を踏まえ11月の動きを総括すると、AI・半導体関連銘柄の下げが目立ったものの、日本株全体への影響は限定的で、総崩れの流れには至らなかったと判断されます。
業種別では、4月から大きく上昇していた情報・通信業などが11月は下落し、出遅れていた医薬品などが上昇しました。また、総じて大型よりも小型、グロースよりもバリュー、外需よりも内需のパフォーマンスが好調で、配当や分配を選好する動きもみられました。この先、米AI相場の調整が再び強まるような局面において日本株を見通す場合、今回のような動きが参考になると思われます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『11月の日本株の動きからみえてきたこと【三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジストが解説】』を参照)。
市川 雅浩
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフマーケットストラテジスト
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