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インプラント工法が海外に認知された「きっかけ」
サイレントパイラーを活用した工法をインプラント工法というが、インプラント工法の優位性が認知されるきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災だった。従来工法で建設した防波堤や堤防は津波に簡単に吹き飛ばされてしまったが、インプラント工法による構造物はほぼ無傷だったのだ。
大震災で大きな被害のあった岩手県山田町の織笠川河口付近では、当日、水門工事が行われていたが、水門を囲んでいたインプラント工法で押し込まれた杭の壁は崩れず、水門を守ったのだ。
公共事業は役所の事業であり前例主義がまかり通るため、それまではインプラント工法の普及は遅れていたが、大震災以降は多くの工事で採用されるようになった。そして、今後は海外でも技研製作所の工法が普及していくだろう。
セネガルの港湾工事を受注…大型船不要の工法で「土木学会賞」受賞
2019年には施工子会社の技研施工が、西アフリカのセネガルで港湾の岸壁に鋼管杭を押し込む工事を受注。口径1メートルの鋼管杭299本と口径32センチメートルの鋼管杭299本を打ち込み、延長350メートルの岸壁を改修した。
当初はコンクリートブロックを海中に積み上げる工法を計画していたが、大型作業船が必要になることや、工事期間中の船の接岸や荷役(にやく)作業に影響が出るため、技術製作所の施工案が採用された。工事は2021年に終了し、公益社団法人土木学会が表彰する令和4年度土木学会賞技術賞を受賞した。
世界遺産「アムステルダム運河」の景観を守りながら護岸を改修する、日本発の技術力
2024年4月には、世界遺産として知られるオランダ・アムステルダム市の運河の護岸改修プロジェクトに技研製作所の工法が採用された。
アムステルダムの運河では近年、木杭の腐食などで護岸の崩落が相次いでいる。しかし、改修するには沿岸の生活道路を閉鎖したり、居住用ボートや街路樹を移転させるなどの工事が必要で、市民生活への影響が甚大だ。また、世界遺産なので景観は維持しなくてはならない。
従来型の工法では時間がかかる上に景観が損なわれる懸念があったが、技研製作所の工法なら周囲への影響が少なく、景観を守ることができるため採用された。世界的に有名なアムステルダム運河で施工することは、技研製作所とその工法のPRになる。
現在、グループとしてはオランダ、ドイツ、タイ、シンガポール、米国、中国に拠点を持つ。2024年8月期の海外売上比率は14%だが、長期的には50%確保を目指している。
田宮 寛之
東洋経済新報社
編集局編集委員
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