人口の約50%がすでに都市圏で生活
世界銀行が発表したレポートによれば、スリランカではこれまで政府が算出していたよりも多い、人口の約50%の人々が都市に相当する地域に住んでいると判明した。
「世界の多くの国と同じく、都市化率50%の境界にスリランカはいることが分かりました」と世界銀行のシニア・ダイレクターのEde Jorge Ijjasz-Vasquez氏は言う。
都市を限定的に定める公式な統計と、世界銀行の用いる定義は大きく異なっている。そのため統計によれば、都市に分類される行政区域に住んでいるスリランカ人は、全体の40%にしかならないが、都市圏という人口密集地域で考えれば、47%が都市に住んでいると同氏は指摘する。
「スリランカは統計で見るよりももっと都市化されており、このことはスリランカの都市化政策において重要な意味を持っています」と同氏は言う。
南アジアでは統計上の都市化率と現実が乖離
世界銀行のレポートによると、バングラディシュ、インド、モルディブ、パキスタン、そしてスリランカにおいて、著しく広範囲において潜在的に過小評価がなされており、「多くの隠れた都市化」があるとしている。
このことは南アジアにおいて、少なからぬ人々が、「都市の特徴を示すにもかかわらず、郊外として管理されている地域」に住んでいることを意味している。
「極端に言えばスリランカの1/3もの人々が、都市と言えるのにそう定義されていない地域に住んでいることになる」とレポートは言う。
これらの隠れた都市地域には、1987年に都市の定義が変更される前までは、都市として認められていた地域を多く含んでいる。そして、これらの旧都市が郊外地域として格下げされたことにより、1981年には21.5%だったオフィシャルな都市化率が、2001年には14.6%に低下したことにつながったと、レポートは分析している。