相場の底で買い、天井で売るのが資産運用の黄金律
運用する投資商品や手法に加え、資産運用で重要なのは「タイミングを味方にする」ということです。すなわち、値下がりして底に近づいたときに買い、値上がりして天井をつけそうなときに売る、というのが資産運用における黄金律(ゴールデン・ルール)です。
では、「値下がりして底に近づいたとき」というのは具体的にどういうタイミングのことでしょうか。我々が注目しているのは、「セリング・クライマックス」です。
たとえば2010年のギリシャショックのときなど、テレビのニュースだけでなくワイドショーなどでも取り上げられるようになったとき、実は相場の底が近づいていました。
逆に、「値上がりして天井をつけそうなとき」というのは、これもリーマンショック前の例ですが、好業績を続けるトヨタについての礼賛本が書店に並ぶようになったときがそうでした。
あのときは、リーマンショックの影響のほか、結果的にトヨタには非はなかったのですが、アメリカでのリコール問題が大きく響き、一時的にトヨタの業績は大きく落ち込んでしまいました。
ユーロ危機でも同様です。書店にユーロ崩壊といった極端な主張の本が平積みになると、そろそろ相場は終わりかな、と考えられます。
2016年の年明けからの株式相場の下落もそうです。日経新聞などのメディアは前年まで株価の先行きに非常に前向きだったのですが、年明け以降は一転して悲観的なコメントが増えていました。特に2月には、新聞やテレビが毎日のように株価の値下がりを大きく報じ、「個人投資家もさすがに怖くて買えない」といった記事も出ていました。
テレビ、新聞、書籍などのメディアが相場判断の指標
逆張り投資が個人投資家の投資行動ですが、そんな個人投資家も買えないとなると、だいたい底になるケースが多いのです。このようにテレビ、新聞、書籍などのメディアが、相場の底と天井を判断する重要な指標といえます。
さらにもうひとつ、相場の天井や大底をとらえる絶好の目安があります。それは、ふだん資産運用に興味がまったくない人が投資をしようとした時が天井だということです。
たとえば、中国株が暴落する前、中国の小学生でも株式投資をするというニュースが報道されていました。また、いつもは貯蓄一筋の配偶者などが「株式投資しようかな?」などと言い出したら要注意です。冗談のような話ではありますが、真理だと思います。