「PTS取引」とは、東証などの取引所とは別に運営される私設取引システム(PTS市場)で国内株式を売買できるサービスで、東証の取引開始前や取引時間中に加え、取引終了後の夜間にも売買できるのが特徴です。FP資格を持つ証券会社出身の編集者が、PTS夜間取引に対応している松井証券・SBI証券・楽天証券の3社を比較し、各社の特徴を解説します。
「PTS夜間取引」ができるネット証券3社を比較…最も遅い時間まで取引できるのは?

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PTSの夜間取引に対応している証券会社は、松井証券・SBI証券・楽天証券の3社です。

 

「PTS取引をするならどこがおすすめ?」

「取引時間や手数料の違いは?」

「自分の希望する時間帯に取引できる証券会社を知りたい」

 

上記のような疑問や要望がある人に、3社のPTS取引サービスを徹底比較します。

 

最後まで読めば、PTSの夜間取引において、自分に合った証券会社を見つけられるはずです。

 

はじめに:「PTS夜間取引」ができるネット証券3社の比較

PTS取引とは、東京証券取引所などの取引所を経由せず、証券会社が提携する私設の取引システムで株式を売買できるサービスのことです。

 

PTS取引の時間帯には「デイタイム・セッション(日中取引)」と「ナイトタイム・セッション(夜間取引)」があり、利用者が多いPTS夜間取引に対応しているのは、松井証券・SBI証券・楽天証券の3社だけです。

 

ここではまず、松井証券・SBI証券・楽天証券の3社が提供するPTS取引サービスの違いを比較表でまとめます。専門用語は本文で解説するので、ここでは概要を押さえてください。

 

■「PTS取引」ができるネット証券3社のサービス比較

証券会社 松井証券のロゴ SBI証券のロゴ 楽天証券のロゴ
対応取引所 ジャパンネクストPTS ジャパンネクストPTS ・ジャパンネクストPTS
・JAX PTS
取引時間
(デイタイム・セッション)

8時20分~15時30分

8時20分~16時30分

8時20分~16時

取引時間
(ナイトタイム・セッション)
17時~翌2時 17時~23時59分 17時~23時59分
利用可能な
注文方法

指値、逆指値
追跡指値

指値

指値

SOR注文の有無 なし あり あり
PTS取引の
手数料
通常の国内株式取引
と同じボックスレート

※1日の約定代金の合計
が50万円までは無料
無料
※3種類の書類の
電子交付が条件
無料
※「ゼロコース」
への変更が条件
信用取引の可否 日中取引のみ可
PTS取引の
対象銘柄

ベンチャーファンド、
ETNを除く東証上場銘柄

ジャパンネクスト証券
が指定する銘柄

楽天証券が指定する
東証上場銘柄

PTS取引の
ランキング

前日夜間取引
騰落率ランキング

出来高上位 マーケットスピードⅡ
にログイン後、
各種ランキングを閲覧可
売買代金上位

 

次章では、PTS取引の基本的な仕組みを解説します。

 

すでに理解している方は、2章の「PTS夜間取引ができるネット証券3社の特徴」から読み進めても構いません。

 

1.「PTS取引」とは?

PTS取引のイメージ図
(出典:松井証券)

 

PTSは“Proprietary Trading System”の略で、東京証券取引所(東証)などの取引所を経由せずに国内株式の売買ができる「私設取引システム」のことです。

 

「PTS取引=夜間取引」と思われがちですが、PTS取引は東証の取引開始前取引時間中にも利用できます。ただし、東証のほうが参加者は圧倒的に多く、PTS取引が活発になるのは東証の取引終了後の「夜間取引」からとなります。

 

1.1. 3つの「PTS取引所」を比較

PTS取引所のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

国内には以下の3つのPTS取引所があり、PTS取引を利用できる証券会社を通じて寄せられた顧客の注文をマッチングしています。

 

■国内の「PTS取引所」の比較

PTS取引所 運営会社 取引時間 対応
証券会社

ジャパン
ネクストPTS
(JNX)

ジャパン
ネクスト証券

8時20分~16時30分
17時~翌6時

松井証券
SBI証券
楽天証券

JAX PTS
(JAX)

Japan
Alternative
Market

8時20分~16時
17時~23時59分

楽天証券
ODX

大阪デジタル
エクスチェンジ

8時20分~16時

SBI証券
(SOR注文時)

※ 以前は「CboePTS」をチャイエックス・ジャパンが運営していましたが、2025年8月29日に日本株市場の業務を停止

 

ただし、実際のPTS取引のほとんどは、①「ジャパンネクストPTS」で行われています。②「JAX PTS」と③「ODX」は、次に紹介するSOR注文で利用される場合もありますが、PTS取引のメインの取引所ではありません。

 

 

1.2.「SOR注文」とは?

SOR注文とは

 

PTS取引の説明でよく登場する注文方法が「SOR注文」で、SBI証券と楽天証券で利用できます。

 

SOR(Smart Order Routing)は、東証と複数のPTSの価格を横断的に比較し、最も有利な市場・価格で自動で注文を執行する証券会社の機能です。

 

たとえば、東証で1,000円、ジャパンネクストPTS(JNX)で995円の売り気配が出ている場合に買い注文を出すと、安いほうの995円で約定します。

 

このように、SOR注文を利用すると、自分で各市場の価格を見比べることなく、買いの場合は最も安い価格、売りの場合は最も高い価格で発注されます。

 

このSOR注文は、東証の取引時間中は「東証」と「PTS取引所」、東証の取引終了後の夜間は「PTS取引所どうし」の価格を比較し、最も有利な価格を探す形となります。

 

■補足

マネックス証券と三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)にはPTS取引のサービスはなく、ユーザーがPTS市場を選択して直接発注することはできません。

ただし、東証の立会時間取引中にSOR注文機能を通じて、自動的にPTS市場に発注される場合があります。

 

2.「PTS夜間取引」ができるネット証券3社の特徴を解説

PTS取引のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここでは、冒頭で紹介したPTS取引に対応している3社のPTS夜間取引サービスの特徴を解説します。

 

各社とも一長一短があるため、あなたの取引スタイルに合った証券会社選びの参考にしてください。

 

■「PTS夜間取引」ができるネット証券3社

 

  1. 松井証券
  2. SBI証券
  3. 楽天証券

 

順番に解説します。

① 松井証券のPTS取引は「翌2時」まで取引可

松井証券の日本株取引
(出典:松井証券)

 

・松井証券のPTS取引のメリット

松井証券のPTS取引(ナイトタイム・セッション)は、SBI証券と楽天証券が23時59分で終了するのに対し、翌2時まで取引できます。

 

そのため、日本時間の24時以降に発表される米国の経済指標や企業決算、突発的なニュースにも、松井証券ならリアルタイムで対応できます。

 

ただし、24時以降になると、SBI証券と楽天証券でPTS取引を利用していた人がいなくなり、松井証券の利用者どうしの売買になります。そのぶん、銘柄によっては値動きが乏しくなる点には注意が必要です。

 

また、SBI証券と楽天証券のPTS取引は「指値注文」のみですが、松井証券は3種類の注文方法に対応しています。

 

■松井証券の「PTS取引」で選べる注文方法

注文方法 特徴

指値注文

特定の価格を指定して注文を出す

逆指値注文

指定した価格になったら、通常の指値注文を出す。損失限定などに利用

追跡指値注文

株価の動きに合わせて指値価格を自動で調整する。利益確定などに利用

 

松井証券の注文機能を活用すれば、東証の立会時間帯と比べて出来高が少なくなりがちなPTS夜間取引で、値動きを追って売買タイミングを図る必要性も低くなります。

 

逆指値注文なら、希望の価格に達しなければ発注されません。

そのため、寝ているときに思わぬ価格で約定するリスクを減らすことができます。

吹き出し
筆者のコメント

 

なお、松井証券のサイトでは、前日のPTS夜間取引における騰落率ランキング午前8時45分ごろに確認できるため、9時から始まる東証の取引の値動きを予測するヒントとしても活用できます。

前日夜間取引 株価上昇率ランキング(松井証券)
 
前日夜間取引 株価上昇率ランキング
(出典:松井証券)
 

「ニュース」アイコンをクリックすると、その銘柄の直近のニュースが表示され、どのような材料で動いたのかを推測することも可能です。

 

・松井証券のPTS取引のデメリット

松井証券のPTS取引の手数料は、通常の国内株式取引と同じ「ボックスレート(定額料金)」が適用され、1日の約定代金の合計で決まります。ただし、1日50万円までは手数料無料で、25歳以下なら約定代金にかかわらず無料で取引できます。

 

一方、SBI証券と楽天証券は、電子交付や特定コースへの変更など所定の条件を満たせば、約定代金に関係なくPTS取引の手数料が無料になります。

 

そのため、PTS取引で1日50万円を超える取引を行う場合、松井証券では手数料がかかる点には注意が必要です。

 

ただし、上場銘柄の約9割は50万円以下で購入できるため、頻繁に売買しなければ1日の約定代金は50万円以内に収まり、松井証券でも手数料無料でPTS取引ができるケースは多いでしょう。

 

なお、松井証券はSOR注文には対応していません。

 

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松井証券で口座開設する

 

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② SBI証券のPTS取引のデイタイム・セッションは「16時30分」まで取引可

SBI証券のゼロ革命
(出典:SBI証券)

 

SBI証券のPTS取引(デイタイム・セッション)は、松井証券と楽天証券が16時までなのに対し、16時30分まで取引できます。そのため、16時以降に発表される企業決算や突発的なニュースにも、SBI証券なら対応できます。

 

SBI証券のPTS取引時間
■SBI証券のPTS取引時間 (出典:SBI証券)

 

また、電子交付サービスに申し込むことで「ゼロ革命」の対象となり、PTS取引手数料も無料になります。そのため、SBI証券なら約定代金を気にせずPTS取引ができます。

 

さらに、PTS取引のデイタイム・セッションにおけるSOR注文は、次の5市場に対応しています。

 

  1. 証券取引所(東証など)
  2. ジャパンネクストPTSの第1市場(J-Market)
  3. ジャパンネクストPTSの第2市場(X-Market)
  4. 大阪デジタルエクスチェンジ社のPTS(ODX)
  5. SBIクロス(ダークプール)

 

このように、SBI証券のPTS取引なら、コストを抑えながら有利な価格で注文できるチャンスが拡大します。

 

\PTSの日中取引は16時30分まで取引可能/

SBI証券の公式サイトへのリンク

 

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③ 楽天証券のPTS夜間取引は「JNX」と「JAX」の2市場に接続可能だが……

楽天証券の手数料コース
(出典:楽天証券)

 

楽天証券のPTS取引(デイタイム・セッション)は、「東証」と「ジャパンネクストPTS(JNX)」と「JAX PTS(JAX)」の3つの取引所に直接発注できます(ナイトタイム・セッションは、東証を除くJNXとJAXの2取引所)。

 

楽天証券のPTS取引時間
■楽天証券のPTS取引時間 (出典:楽天証券)

 

しかし、東証の取引時間中は東証の参加者のほうが圧倒的に多く、平日9時40分ごろのトヨタ自動車(7203)の板状況(売買注文の価格と数量を表示した情報)を3つの取引所で比較すると、東証、JNX、JAXの順に少なくなります。

「東証」の板状況(日中取引)
 
楽天証券の東証の板状況(日中取引)
 
「ジャパンネクストPTS(JNX)」の板状況(日中取引)
 
楽天証券のジャパンネクストPTS(JNX)の板状況(日中取引)
 
「JAX PTS(JAX)」の板状況(日中取引)
 
楽天証券のJAX PTS(JAX)の板状況(日中取引)
 

また、東証の取引後のPTS夜間取引では、JNXとJAXの2つの取引所から選びます。

 

ただし、楽天証券のPTS夜間取引は23時59分までですが、取引終了間際の23時33分時点でも、大型株のトヨタ自動車でさえ、JAXの出来高はわずか200株しかありません。下のほうの板情報がJAXです。

「ジャパンネクストPTS(JNX)」の板状況(夜間取引)
 
楽天証券のジャパンネクストPTS(JNX)の板状況(夜間取引)
 
「JAX PTS(JAX)」の板状況(夜間取引)
 
楽天証券のJAX PTS(JAX)の板状況(夜間取引)
 

楽天証券のPTS夜間取引は「JNX」と「JAX」の2市場から選べますが、流動性(売買がどれだけ活発に行われているかの度合い)が低いなどの理由から、実質的にジャパンネクストPTS(JNX)一択と言っても過言ではありません。

 

なお、楽天証券のPTS取引の手数料は、事前に「ゼロコース」を選択し、注文時に「SOR」と「Rクロス」を利用すると無料になります。

 

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楽天証券の公式サイトへのリンク

 

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3.「PTS取引」のメリット3つ

メリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここでは、PTS取引のメリットを次の3つに絞って確認します。

 

 

それぞれ解説します。

メリット①:取引時間が長く柔軟な売買が可能

夜間取引のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

PTS取引は、東証の取引開始前取引終了後にも利用できるため、日中は仕事で忙しい人でも、始業前や帰宅後などでも柔軟に売買できます。

 

■「PTS取引」ができる時間帯

証券会社 デイタイム・
セッション
ナイトタイム・
セッション
松井証券のロゴ 8時20分~15時30分 17時~翌2時
SBI証券のロゴ 8時20分~16時30分 17時~23時59分
楽天証券のロゴ 8時20分~16時 17時~23時59分

 

決算などは東証の取引終了後に発表されることが多いため、保有銘柄に大きなニュースが出た場合でも、PTS取引で利益や損失を早めに確定するなど、迅速に対応できます。

 

また、FOMCや米雇用統計など、翌日の国内株式市場に大きな影響を及ぼす可能性のある海外イベントや重要発言があった場合も、PTS夜間取引を利用すれば先回りして対応できます。

 

このように、東証で購入した銘柄をPTS取引で売却したり、逆にPTS取引で購入した銘柄を東証で売却したりできるため、PTS取引を活用すれば取引の幅を広げられます。

 

メリット②:取引所より有利な価格で売買できるケースがある

東京証券取引所
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

東証の取引とPTS取引では需給状況が異なるため、PTS取引では東証の価格より安く買えたり、高く売れたりする場合があります。もしPTSで安く買って東証でより高く売却できれば、その差額が利益となります。

 

また、PTS取引の呼値(株価の刻み幅)は東証の10分の1から1,000分の1(TOPIX500銘柄を除く)に設定されています。そのため、たとえば取引所では最良買気配が5,500円のところ、PTS取引なら5,502円といった具合に、取引所より有利な価格で取引できるチャンスがあります。

 

PTS取引の呼値に関する説明
(出典:松井証券)

 

このように、PTS取引の価格は東証と異なる場合があるため、そのギャップを上手く活用できれば投資のチャンスにつながることがあります。

 

メリット③:ニュースが株価にどのような影響を与えたかを把握できる

ニュースのイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

PTS取引の価格を確認すると、東証の取引終了後に発表された決算などのニュースが株価にどのような影響を与えたかを把握するのに役立ちます。

 

PTS夜間取引の終値と同じ価格で翌日の東証の取引が始まるわけではありませんが、株価にプラスの影響かマイナスの影響か、方向性を探るヒントになります。

 

松井証券なら、PTS夜間取引の騰落率ランキングを確認できるため、実際にPTS取引をしなくても利用する価値はあります。

 

松井証券のランキング画面で「ニュース」をクリックすると、その銘柄に関するニュースが表示され、どのような材料で物色されたのかを確認できます。

 

前日夜間取引株価上昇率ランキング
(出典:松井証券)

 

2025年9月10日の夜間取引で株価上昇率ランキングで2位となったKLab(3656)の「ニュース」をクリックすると、東証の取引終了後に『KLab、「GPU AIクラウド事業」に参入』とありました。

 

KLab、「GPU AIクラウド事業」に参入
(出典:松井証券)

 

真相は不明ですが、このニュースが材料視され、PTS夜間取引で買いが集まったと推測できます。

 

松井証券の口座を持っていると、PTS夜間取引のランキングを1分ごとのリアルタイムで確認することもできます。

吹き出し
近藤章仁

 

\PTS夜間取引の騰落率ランキングを確認できる/

松井証券で口座開設する

 

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4.「PTS取引」のデメリット3つ

デメリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

メリットの次は、PTS取引を始める前に知っておくべきデメリット(注意点)も把握しておきましょう。

 

 

それぞれ解説します。

デメリット①:流動性が低い

流動性のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

PTS取引を利用できるのは、松井証券・SBI証券・楽天証券の顧客に限られており、大口の機関投資家は基本的には参加していません。

 

そのため、PTS取引では小型株を中心に全体的に出来高が少なく、流動性(売買のしやすさ)が低い点には注意が必要です。

 

銘柄によっては板の注文が極端に少なく、希望の価格で売買できず、指値注文を出していても約定しないことも珍しくはありません。また、板が薄い場合は少量の注文でも価格が動きやすく、出来高が少ないにもかかわらず値動きが大きくなることもあります。

 

以下の画像は、ある小型株の23時台のPTS夜間取引の板状況です。

小型株のPTS夜間取引の板状況
 
小型株のPTS夜間取引の板状況
 

ご覧のように、出来高は22時48分の100株だけで、23時台になっても買い注文が入っていません。

 

そのため、PTS取引を行う際は、ETFの「(NEXT FUNDS)日経平均レバレッジ上場投信」(1570)や、トヨタ自動車(7203)などの大型株、あるいは決算発表など材料が出た銘柄に絞るなど、取引対象を工夫するとよいでしょう。

 

「(NEXT FUNDS)日経平均レバレッジ上場投信」(1570)であれば、夜間でも取引されている日経平均先物に連動しているため流動性も高く、100株以上の大口注文も散見されます。

「(NEXT FUNDS)日経平均レバレッジ上場投信」(1570)の板状況
 
(NEXT FUNDS)日経平均レバレッジ上場投信の板状況
 

このように、銘柄次第では、PTS夜間取引だけでデイトレードをすることも不可能ではありません。

 

デメリット②:注文方法が限られる

成行注文NG

 

PTS取引で利用できる主な注文方法は「指値」で、「成行」「逆指値」「OCO」「IFD」「IFDO」などは一般的に使えません。そのため、通常の東証の取引と比べると柔軟性が低い点には注意が必要です。

 

ただし、松井証券ではPTS取引でも「指値」に加えて、「逆指値」「追跡指値」の注文方法が利用できます。さらに、執行条件として「IOC(注文が即座に約定しない場合は残りの数量をキャンセルする)」の設定も可能です。

 

デメリット③:夜間取引では信用取引ができない

パソコンの前で悩む男性
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

PTS夜間取引では、流動性の観点から信用取引(保証額の約3.3倍の注文が可能な取引)はできません。

 

ただし、PTS取引のデイタイム・セッションでは、東証の取引時間にあたる9時~11時30分、12時30分~15時30分に限り、信用取引が可能です。

 

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5. よくある質問

Q&A
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、PTS取引に関するよくある質問に7個回答します。

Q1. PTS取引の発注方法を教えてください。

PTS取引の基本的な発注方法は東証と同じですが、「市場」を「東証」ではなく、「JNX」や「JAX」に切り替える必要があります(表記は証券会社によって異なります)。

 

Q2. PTS取引は土日や祝日も取引できますか?

いいえ。PTS取引ができるのは東証の営業日のみで、土日や祝日には利用できません。

 

Q3. PTS取引で投資信託や外国株も売買できますか?

いいえ。PTS取引の対象は国内株式に限られ、投資信託や外国株は売買できません。

 

Q4. PTS取引で売却できなかった銘柄はどうなりますか?

PTS取引で売却できなかった場合でも、東証の取引時間中に売却することが可能です。

 

Q5. PTS取引で発注後に市場を「東証」に変更できますか?

PTS取引での注文は「東証」に引き継がれないため、市場を「東証」に変更して改めて発注する必要があります。

 

Q6. PTS夜間取引での「約定日」と「受渡日」はいつですか?

PTS夜間取引の「約定日」と「受渡日」は、以下のとおりです。デイタイム・セッションとナイトタイム・セッションでは、受渡日が異なります。

 

取引時間帯 約定日 受渡日
デイタイム・
セッション
注文成立日 約定日から起算して
3営業日目
ナイトタイム・
セッション
注文成立日 約定日から起算して
4営業日目

 

なお、松井証券のPTS夜間取引は翌2時まで行えますが、24時~翌2時に約定した分は前日の約定日となります。

 

Q7. PTS取引で株式を購入しても「配当」や「株主優待」はもらえますか?

PTS取引で株式を購入しても、東証と同じように「配当」や「株主優待」の権利を得られます。

 

ただし、PTS取引で権利を獲得するには、権利付最終日のデイタイム・セッションまでに買付する必要があります。権利付最終日のナイトタイム・セッションに約定した分は翌営業日の取引として扱われるため、権利は獲得できません。

 

6. まとめ

PTS夜間取引のイメージ図
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

この記事では、PTS取引に対応しているネット証券3社の特徴を比較しながら解説しました。最後に、PTS取引を始めるならどの証券会社が向いているのかを、ニーズに合わせて整理します。

 

■「PTS取引」ができる3社の特徴

 証券会社    おすすめの人
松井証券のロゴ

・最も遅い時間まで取引できる環境を求めている人
・日中の取引と合わせて約定代金が50万円以下の人
・逆指値など複数の注文方法を利用してリスクを管理したい人

SBI証券のロゴ

・約定代金を気にすることなく手数料無料で取引したい人
・東証の取引終了後の16時30分まで取引したい人

楽天証券のロゴ

・約定代金を気にすることなく手数料無料で取引したい人
・夜間取引は「JNX」と「JAX」の2市場から選びたい人

 

PTS取引は、工夫して活用することで柔軟な売買が可能となり、取引チャンスが広がります。

 

各社の特徴を把握したうえで、自分に合った証券会社を選び、PTS取引を上手に活用しましょう。

 

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