登記所に到着 いよいよ登記事項証明書の交付を申請
◆各種申請書の記載方法
さて、ここで皆さんは自分の必要とする事項を申請書に書くことになります。申請書は登記所に備えられており、無料です。実務では、あらかじめ登記所で申請書を何枚かもらっておき、事前に必要事項を書き込んでから出かけるとよいでしょう。
なお、登記所の用紙がない場合、適宜手元にある用紙に必要事項を記載して提出することもできることになっています。
まず「登記事項証明書 登記簿謄本・抄本交付申請書」ですが、従来の登記簿の謄・抄本が、法改正により「登記事項証明書」となりました。次に、「登記事項要約書交付 閲覧 申請書」ですが、これも、従来の登記簿の閲覧が「登記事項要約書」に変わりました。
まず、「窓口に来られた人(申請人)」欄に住所・氏名を記載します。
次に「種別」の欄にすすみましょう。土地の登記事項証明書(登記簿)であれば「□土地」の「□」の中に「✓」のマークを、建物であれば「□建物」の「□」の中に「✓」をつけてください。なお、閉鎖登記簿の閲覧については、申請書1通で1種類の登記簿しか閲覧できませんが、「土地」と「建物」は同じ申請書で申請できます。種別欄の下の「□登記簿の閲覧」の□の中と「□閉鎖登記簿の閲覧」の□の中に「✓」をつけるとともに、コンピュータ化に伴って閉鎖された登記簿の閲覧を希望するのか、合筆、滅失などによる閉鎖登記簿・記録の閲覧なのかを選択します。
なお、「登記申請書・添付書類の閲覧」というのは、実務ではあまり利用されることはないかと思いますが、各種権利関係の登記で申請書綴込帳に綴じられた書類を見たいときに申請ができるということです。この場合、利害関係のある人しか閲覧することができませんので、利害関係の内容(たとえば「訴訟のため」など)を記載する必要があります。これは記載すればよいので、それを証明する資料までは要求されていません。「受付年月日・番号」欄の「平成_年_月_日受付第__号」の欄は、登記簿等を見て記入します。
「郡・市・区」欄等には、申請する土地の所在地を様式例のように記入していきます。建物についても土地とほとんど同じで、ただ「家屋番号又は所有者」を記入することになっています。
平成23年4月からは登記印紙に代わって収入印紙を利用
◆収入印紙の貼付
最後に、右側の「収入印紙欄」に収入印紙を貼ります。
収入印紙は、登記所の印紙売り場で売っていますが、売っていない場合もありますので注意してください。また、郵便局でも購入することができます。実務では、あらかじめ買っておき、登記所に行く前に準備しておけば、スムーズに申請手続をすることができます。
また、登記特別会計が平成22年度をもって廃止されたことに伴い、登記印紙の制度はなくなり、平成23年4月1日からは、交付申請書にも収入印紙を貼ることになりました(平成19年3月31日法律第23号「特別会計に関する法律の一部を改正する法律」による改正。不動産登記法119条4項参照)。
なお、登記事項要約書や登記簿の閲覧のときは、請求通数ということはありませんので書きませんが、登記事項証明書や登記簿謄・抄本をとるときは「請求通数」欄に通数を算用数字で記載します。申請物件は4筆までしか書けませんので、それを超えるときは当然、別の申請書を記載することになります。
◆登記簿の閲覧の仕方
登記簿を閲覧する場合、申請書を登記所の窓口に提出し、名前を呼ばれるまで待合室で待っていてください。職員が名前を呼んだら閲覧室の中に入り登記簿を受け取ります。土地の登記簿は緑色のバインダーで、建物は赤色のバインダーに登記用紙が地番順に綴じられています。閲覧は決められた場所以外ではできません。登記所によっては机に番号をふってあり、番号札を渡され座席を指定されることもあります。