日本の部長の厳しすぎる現実
厚生労働省『令和6年 賃金構造基本調査』によると、「部長」の平均賃金は62万7,200円(年齢53.0歳、勤続年数22.2年)、「課長」の平均賃金は51万2,000円(年齢49.3歳、勤続年数20.7年)、「係長」の平均賃金は38万5,900円(年齢45.6歳、勤続年数17.8年)です。
一方女性だけに絞ると、「部長」の平均賃金は54万9,900円(年齢52.7歳、勤続年数19.4年)、「課長」の平均賃金は45万8,100円(年齢49.3歳、勤続年数19.2年)、「係長」の平均賃金は35万4,000円(年齢46.0歳、勤続年数16.9年)となっています。
部長の平均賃金「62万7,200円」というと一見高額ですが、これは税金や社会保険料を控除する前の額面であり、手取りでは50万円程度となります。
この中から、住宅ローンや教育費、日々の生活費、さらには自身の老後資金の積立など、多岐にわたる支出を賄う必要があります。さらに交際費やスーツ代などの自己負担も増えがちです。その結果、実際には余裕のない生活を強いられるケースが少なくありません。
もちろんこれは平均なので、「もっと高収入を得ている」という人もいれば、「はるかに少ない」という人がいるのも間違いありません。特に役職者の場合、企業規模によって給与・責任の差は歴然。同じ肩書でもマネジメントする人数は変わりますし、プレイヤーとして優秀だったものの、マネジメントには不向きで「肩書きだけ与えられたエース」と揶揄されるケースもあるかもしれません。
さて平均年齢「53歳」というと、「定年」の二文字が見え隠れする年齢です。60歳を迎えたそのとき、自分は何を選択するのか……。明るい未来を描きたいところですが、「定年後の再雇用」には、厳しい条件がつきものです。
「嘱託社員として定年以降もウチの会社で活躍してくれないか?」と誘われて喜んだものの、蓋を開けてみたら給与が「現在の半分以下」だった……といった話は決して少なくありません。
