(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

●S&P500とナスダックは7月2日に最高値を更新、予想PERは共に過去平均をやや上回る水準へ。

●一方で、EPSの今年の予想はそれほど悪くなく、来年は多くの業種で2ケタの伸びが見込まれている。

●足元主要半導体銘柄が堅調、米関税政策は米ハイテク企業の成長性を否定するものではない。

 

S&P500とナスダックは7月2日に最高値を更新、予想PERは共に過去平均をやや上回る水準へ

7月2日の米国市場では、S&P500種株価指数が前日比29.41ポイント(0.5%)高の6,227.42ポイントで取引を終え、2営業日ぶりに過去最高値を更新しました。ナスダック総合株価指数も前日比190.241ポイント(0.94%)高の20,393.13ポイントで終了し、同じく2営業日ぶりに最高値を更新しました。この日は米雇用関連の指標が悪化したものの、米国とベトナムの関税交渉合意の報道が市場で好感されました。

 

両指数とも4月8日に年初来安値をつけた後、上昇に転じ、約3カ月で過去最高値をつける展開となっています。そこで、利益水準に対する株価の「割高」、「割安」を判断する尺度である予想PER(株価収益率、12カ月先ベース)をみると、7月2日時点でS&P500が21.9倍、ナスダック総合は28.0倍となっています。過去5年平均では、順に20.0倍、27.9倍ですので、いずれも過去平均をやや上回ってきています(図表1)。

 

(出所)Datastreamのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表1]S&P500とナスダック総合の予想PER (出所)Datastreamのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

一方で、EPSの今年の予想はそれほど悪くなく、来年は多くの業種で2ケタの伸びが見込まれている

一方、1株あたり利益(EPS)に目を向けると、S&P500と11業種について、市場が予想する2025年と2026年の前年比伸び率は図表2の通りで、S&P500指数は2025年が前年比8.5%増、2026年は同14.0%増となっています。また、アップルやマイクロソフト、エヌビディアや主要半導体メーカーなどを含む情報技術は、2025年が同16.8%増、2026年は同18.7%増と、良好な見通しが示されています。

 

(出所)LSEGの資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表2]S&P500と業種別の予想EPS伸び率 (出所)LSEGの資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

米関税政策の不透明感が強いなかでも、2025年の利益予想は総じてそれほど悪いものではなく、また、2026年は多くの業種で2ケタの伸びが見込まれており、先行きの米国株を支える要因になると思われます。なお、アップルやマイクロソフトなどの大型ハイテク7銘柄、通称「マグニフィセント・セブン(M7)」と、ブロードコムなど主要半導体関連8銘柄の年明け以降の値動きを比較すると、少し興味深いことが分かります。

足元主要半導体銘柄が堅調、米関税政策は米ハイテク企業の成長性を否定するものではない

M7と主要半導体関連8銘柄は、昨年末からS&P500とナスダック総合が年初来安値をつけた4月8日までの期間、そろって2ケタ下落し、その後4月8日から7月2日までの期間、そろって2ケタ上昇しました。ただ、昨年末から7月2日までの期間でみた場合、主要半導体関連8銘柄は全て上昇となった一方、M7では、アルファベット、アップル、テスラがマイナス圏に沈んだままとなりました。

 

このように、足元ではとりわけ主要半導体銘柄が堅調に推移しており、これら銘柄を含む情報技術の利益見通しは前述の通り良好で、生成型の人工知能(AI)の普及による半導体需要拡大に対する強い期待も、S&P500やナスダック総合に追い風と思われます。また、そもそも米関税政策は、米ハイテク企業の将来性や成長性を否定するものではないという点は、米国株の先行きを見通す上で重要なポイントと考えます。

 

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

 

※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『過去最高値を更新したS&P500とナスダックの先行きについて【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。

 

市川 雅浩
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフマーケットストラテジスト

 

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