夫に先立たれ、年金「月6万円」に減額…途方にくれる「80歳女性」のもとへ、年金機構から届いた「緑色の封筒」

夫を亡くし、年金は月6万円に…運ばれてきた「緑の封筒」

田中芳子さん（仮名／80歳）は、つい数ヵ月前まで夫・一郎さん（仮名）と穏やかな日々を送っていました。長年連れ添った二人三脚の暮らし。しかし突然の夫の死により、その生活は一変します。

芳子さん夫婦の収入源は、主に年金。ところが、一郎さんの死後、受け取れる年金額は月わずか6万円に減少してしまったのです。芳子さんは、一気に生活の危機に直面しました。

「これからどう生きていけばいいのか…」

芳子さんの頭をよぎったのは、日々の暮らしにかかる現実的な費用。食費、光熱費、医療費――中でも、冬の暖房代と病院への通院費は、80歳の高齢女性にとって大きな負担です。

頼れる家族や友人も少なく、収入の激減と孤独感は、芳子さんの心と体をじわじわと蝕んでいきました。

そんなある日、芳子さんのもとに見慣れない緑色の封筒が届きました。差出人は「日本年金機構」。驚きつつも封を開けると、そこには「遺族年金」に関する案内が。

夫が厚生年金に長年加入していたことを思い出し、芳子さんは「もしかすると、自分も受給できるのでは」と考えます。

翌日、案内に記載されていた年金相談窓口に連絡。応対した担当者は親切に、必要な書類や手続きの流れを説明してくれました。

必要な書類を用意し、芳子さんは年金事務所へ。そこで、正式に「遺族年金の受給対象者」であることが確認され、申請が進められることになりました。

数週間後、待ち望んでいた通知が届きます。遺族厚生年金の支給が決定。月6万円だった年金額は大きく増え、生活の見通しが立てられるようになりました。

※遺族厚生年金の額は、亡くなった方が受け取る予定だった「老齢厚生年金（報酬比例部分）」の4分の3が基準となります（日本年金機構）。