今回は、不動産投資の「キャッシュフロー」はできるだけ再投資に回すべき理由について説明します。※本連載では、株式会社ライフラリ代表・大河原雄剛氏の著書、『はじめの一歩を踏み出す一冊 ふつうのサラリーマンがもっとハッピーになる不動産投資の授業』(廣済堂出版)の中から一部を抜粋し、不動産投資物件を増やし、スケールメリットを享受するためのメソッドを実例とともに紹介します。

貯まってくると、つい使いたくなるのが人間だが・・・

買い増していくことで不動産投資の運用額はどんどん上がっていきキャッシュフローも増えていきます。

 

ただ、ここで強調しておきたいのは、「キャッシュフローを生活費の足しにしよう」という考えを捨ててください、ということです。

 

貯まってくると、つい使いたくなるのが人間です。車を買ったり旅行をしたり、あるいは子供の教育にお金をかけたりしていると、いつの間にか、あったはずのキャッシュフローがどんどんなくなっていきます。

 

「収支はマイナスじゃないんだから問題ない。そもそも、これまでしたくてもできなかった生活をするために不動産投資を始めたんだから」

 

こういう考え方に陥るんですね。

 

しかし、先の例のように1億円を30年ローンで借りた人は、15年たった時点でも6450万円の返済残高が残っています。ようやく残高が半分の5000万円を切るのが19年目に入ったくらいですから。

自由に使える「余ったお金」ではないキャッシュフロー

当初のキャッシュフローをローン完済までずっと維持できればいいですが、新築でもない限り30年の間には大規模修繕が必要になったり、地価の下落や老朽化によって入居率がキープできなくなったり、家賃を下げざるを得ない状況になるなど、何が起こるか分かりません。

 

そのときに、キャッシュフローを貯めていれば補うことができますから恐がることはありませんが、キャッシュフローが残っていないと危険な状態になりかねません。

 

大事なことは、キャッシュフローは自由に使える余ったお金だとは思わずに、できるだけ貯めておくこと。そして、キャッシュフローの使い道は再投資、すなわち買い増しに回すことです。

 

そうやって物件の数を増やしていけばキャッシュフローの額が増えますし、複数の物件があればリスク分散ができます。

 

たとえば、ある物件がうまく回らない、収益が出ないとしても、他の物件で出たキャッシュフローでフォローすることができます。あるいはそういう物件はマイナスが大きくなる前に売却してしまい、新しい物件を手に入れる。そうした場合の自己資金としてキャッシュフローを活用すれば、その分利回りは高くなり、運用が楽になります。

 

私自身も、キャッシュフローの一部をつい使ってしまうことがないわけではありません。ストイックになるのも限度がありますから、ある程度はやむを得ないと思いますが、長期融資で生まれるキャッシュフローをどんどん使ってしまうことの恐さは、ぜひ認識しておいてください。

 

以前に行った融資の授業で使った例で言うと、100万円を返す約束をして80万円を受け取った。キャッシュフローを使うのは、100万円を返す前にお金を使ってしまうのと同じことなんです。

 

キャッシュフローは使わずに再投資に回す。

 

とくに一歩を踏み出したばかりの方は、これが大原則と覚えておいてください。

はじめの一歩を踏み出す一冊 ふつうのサラリーマンがもっとハッピーになる不動産投資の授業

はじめの一歩を踏み出す一冊 ふつうのサラリーマンがもっとハッピーになる不動産投資の授業

大河原 雄剛

廣済堂出版

サラリーマン大家さんを応援する不動産投資コンサルティング会社を経営する著者が、知識も資金もない普通のサラリーマンが多額の融資を受け、不動産投資でもっとハッピーな人生を選択する方法を伝授。 安全かつ大胆な一歩を踏…

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