なぜ?「常識を知らない」入居者の増加
それにしてもいくら個人間取引とはいえ、その程度の説明すら行われないまま取引されていることには驚かされる。
旧所有者側が管理費の負担の有無を知らないはずはなく、むしろその負担があるからこそ価格がつかないことは承知しているはずである。それを伏せて引き渡してしまう姿勢は不誠実だが、その一方で、引取り希望者側も0円という価格にばかり目がくらんで、ごく基本的な下調べすらも怠っているといえるのではないだろうか。
旧所有者側にしてみれば、引取り側に知識があろうがなかろうが、ましてや期待を大きく裏切ることになろうが、引取りの打診があれば必ず応じるだろう。引取り側がいかに迂闊な判断を下していようとも、それを阻止できる手立ては何もない。
振り回されるのは当事者だけではない。負担は感じつつも一応は管理費の納入義務を果たしていた前所有者から、管理費の存在すらも知らないような新所有者に引き渡されるとなれば、管理組合にとっては悪夢のような話だ。
このため近年では、管理組合側も0円物件の購入者には注意を払っていて、主要な0円物件サイトにマンションの情報が掲載されると、物件情報に掲載されている室内画像やベランダからの眺望写真などを参考に、該当の部屋の特定を行うそうである。
マンションに管理費が存在する以上、その負担から逃れるために0円、あるいは赤字になってもよいから手放したいと考える人はこれからも出てくるはずである。ましてや今後、ますます相続が進み、自分で購入したわけでもないマンションの一室を相続する羽目になった人が増加していけば、一層その動きは加速していくことになる。
吉川 祐介
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