単身赴任で東京本社へ…3年で自ら異動を申し出た
加藤淳さん(仮名・44歳)。4月に地元・九州への異動が決まっています。
東京本社に異動になったのは3年前のこと。社内では東京への異動は出世コースの王道。誰もがこのキャリアを歩めるわけではなく、選ばれた人だけという狭き門でした。加藤さんの場合、課長への昇進とともに異動。出世コースの第一線を走っていたといっても過言ではありません。しかし、今春に九州へ異動。これは出世コースからの脱落?
――確かに、出世コースからは外れました。でもこれは私の望みでした
実は加藤さん、降格願いを上司に提出。すったもんだの末、九州への異動が決まったのです。
――私、単身赴任で東京に来ていました。ちょうど、子どもが生まれたばかり。妻も初めての子育ては、お義父さん、お義母さんの近くのほうが安心でしょう。私が単身赴任するのが一番だったんです
以前はサラリーマンにとって転勤は当たり前でした。しかし最近は転勤を嫌う傾向にあります。株式会社パーソル総合研究所『転勤に関する定量調査』によると、就活生の19.4%は「そもそも転勤がある会社は受けない」と回答。さらに「転勤がある会社にはできれば入社したくない」を合わせると半数を超えます。また中途入社についても、転勤に対してネガティブな人が49.7%とほぼ半数となりました。
さらに転勤のある企業に勤める総合職の社員において、どのような条件であっても「転勤は受け入れない」が18.2%、さらに「不本意な転勤を受け入れるくらいなら会社を辞める」は37.7%でした。
ちなみに給与アップは転勤を受け入れる大きな理由になります。転勤がある企業の総合職社員のうち、「基本給が10%程度アップするなら転勤を受け入れる」が29.7%、「20%程度」だと51.3%と半数を超えます。