本来の企業価値よりも時価総額が安いことがある
企業価値を確認する視点の1つが時価総額です。時価総額とは、株価に発行済株式総数を掛け合わせたものであり、一般的に企業の株式価値を示します。市場で評価された企業の価値と考えましょう。でも、市場で評価された企業価値は本来の企業の価値としてとらえてよいのでしょうか。
企業の価値には、売上や利益といった稼ぐ力のほかに、保有する現預金・土地、特許等の無形資産などさまざまなものが含まれています。こうした価値がすべて時価総額に含まれているかというと、そうでもありません。本来の企業価値に比べて時価総額が低く、割安に放置されている企業がある場合があるのです。
では、企業価値から見た割安な企業はどのように探せばよいのでしょうか。1つの考え方として、「現金同等物-有利子負債>時価総額」が該当する企業を挙げることができます。現金同等物とは、換金するのが容易なものであり、手元に残る現金および預金、3カ月以内に満期日が到来する定期預金などが該当します。
現金同等物から有利子負債である借金を引いたものは、実質的に企業が保有するキャッシュです。これが時価総額よりも大きくなる企業を探します。企業の株式をすべて買えば、それ以上の実質的なキャッシュが手に入ることになるため、割安だと判断できるのです。
この前段階として利用できるのがPBRです。そのため、「現金同等物-有利子負債>時価総額」が該当する企業はPBRが1倍割れとなっています。注意点は、黒字の企業から探すこと。赤字垂れ流しの企業の場合、今は割安でもキャッシュが減っていくことで割安とは言えなくなる可能性があります。
●「現金同等物-有利子負債>時価総額」となっている企業を探す
● 原則として、黒字企業から割安企業を探していく
伊藤 亮太
スキラージャパン株式会社 取締役
ファイナンシャルプランナー
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