日常生活に欠かせない「宇宙関連技術」
●現在、宇宙関連技術は人工衛星の重要性をはじめ、私たちの日常生活に不可欠な役割を果たしています。
●人工衛星は全地球測位システム(GPS)を可能にし、タクシーの配車から自動運転まであらゆるものを支えています。
●人工衛星はクレジットカード決済やモバイル・バンキング・アプリなどの金融取引に役立てられており、また、より正確な天気予報や雨が降るタイミングを知らせることが可能で、吹雪の前に準備を行うための情報を都市に提供しています。
●衛星データを活用することで、各国の行動や現地の状況を把握することができます。
●衛星通信は、ビデオ会議や農業、CO2排出量の追跡など、幅広い分野に役立てられており、日常生活の多くの側面を支えています。
打ち上げコストの低下や衛星の小型化を背景に、宇宙産業は拡大
■打ち上げコストの低下や衛星の小型化等を背景に、2023年の世界のロケット打ち上げ数は、212回と過去最多を記録しました。米国ではスペースX等の民間企業が牽引し、打ち上げ数が増加しています。
■ロケット開発が進み、ロケットの再利用等により打ち上げコストは急速に低下し、大型ロケット「ファルコンヘビー」では、約1,500米ドルとスペースシャトルと比べ約44分の1まで低下しています。

■宇宙産業では、手のひらサイズの超小型衛星が登場するなど、衛星の小型化が進展しています。
<衛星の小型化・低コスト化>
・大型衛星
重量:数トン
価格:数百億円
・小型衛星
重量:100kg~500kg以下
価格:数億円~数十億円
・超小型衛星
重量:100kg以下
価格:数百万円~数億円
出所:各種資料を基に東京海上アセットマネジメント作成
※上記は一例を示したものであり、すべてを表すものではありません。
■スペースXの衛星インターネット事業「Starlink」と衛星インターネット事業者OneWeb(英)による打ち上げが2020年以降急増し、世界の小型衛星の打ち上げ数は約7.2倍(2018年対比)に拡大しています。
■稼働中の衛星数は増加しており、通信や観測用途での利用が増えています。


世界の宇宙ビジネスの市場規模は拡大
■世界の宇宙ビジネスの市場は、民間企業による参入により、ビジネスの裾野が広がっていくことが期待され、宇宙分野の商業化の拡大によって将来にわたり成長すると予想されています。
■2023年の宇宙の市場規模は約5,700億米ドル(約88兆円*)、そのうち、商業関連が約8割を占めています(*1米ドル=153.64円〔2024年10月末時点〕で円換算)。
■現在の宇宙の市場規模は、半導体市場に匹敵し、AI市場を凌ぐ市場規模を有しています。今後、宇宙技術は、半導体やAIと同様に日常生活のあらゆる場面でますます存在感を増していくと考えます。
いま話題の宇宙関連トピック、「スペースX」
■スペースXは宇宙船開発、打ち上げサービス、衛星通信等を提供する米国企業。2002年に設立された同社は、部分的に再利用可能なロケットFalcon 9などを含む高度なロケットや宇宙船の設計、製造、打ち上げなどを行っています。
■スペースXはプライベート(未公開)市場において時価総額換算で2,100億米ドル*と評価されています(*2023年12月時点)。
■業界大手のボーイング、エアバス、ロッキード・マーティン、レイセオンよりも大きい規模です。
■IPO(新規公開株式)が実施されれば、史上最も大きいIPOとなる見込みです。
■NASAは2024年6月に、2030年に運用を終える予定の国際宇宙ステーション(ISS)を安全に軌道から離脱させるための軌道離脱機を開発・納入する契約(約8億4,300万米ドル)をスペースXが獲得したと発表しています。
出所:各種資料を基に東京海上アセットマネジメント作成
※上記に記載の企業は、スペースX以外、2024年10月末時点で上場しています。また、ボーイング、エアバス以外、2024年10月末時点で当ファンドの組入銘柄ではありません。
※上記は過去の実績であり、将来の動向等を示唆・保証するものではありません。
加速的に発展を遂げる衛星通信サービス
■スペースXは現在、約100ヵ国に「Starlink」を提供しており、世界の加入者数は300万人を超え、「Starlink」が利用する人工衛星は6,000基を超えているといわれています。
■現在、スペースXのほか、中国政府やアマゾン・ドット・コムも衛星通信サービスを計画しており、衛星通信の新時代が始まろうとしています。
■今後、世界の5G衛星通信の市場規模は大幅に拡大する見通しです。


衛星測位システムの需要の高まり
■カーナビやスマートフォンで自分の位置情報を入手したりするのが日常となった現在、今後、衛星測位システムはさらに測位精度が向上し、さまざまな分野での活用が見込まれています。

<期待されるさまざまな活用シーン>
・自動運転
・ドローン配送
・農業
・自律航行船
・除雪車
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『半導体市場に匹敵し、AI市場を凌ぐ市場規模…急成長を遂げる「宇宙ビジネス」【解説:東京海上アセットマネジメント】』を参照)。
※東京海上アセットマネジメントは「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし/為替ヘッジあり)」を運用しています。宇宙関連企業の株式等の運用は「ヴォヤ・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシー(ヴォヤIM)」が行います。
※上記は個別銘柄への投資を推奨するものではありません。また、今後の当ファンドへの組み入れを保証するものではありません。
※上記は過去の実績および将来の予想であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。
※上記は資料作成日時点におけるヴォヤIMの考える今後の見通しであり、その内容は、将来予告なく変更されることがあります。
※本記事は東京海上アセットマネジメントのファンドレポートの一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文及びファンドのリスクや概要は東京海上アセットマネジメントのレポートをご確認ください。