宇宙関連企業の利益は堅調な成長が見込まれる
■米トランプ政権が打ち出す関税措置や政府効率化省(DOGE)の動きなどを受け、先行き不透明感が強まるなか、米国株式市場では、ソフトウェア、ハードウェア、半導体関連株等、グロース株を中心に下落し、ディフェンシブ性が高い銘柄が選好されやすい地合いとなっています。
■このような環境下、宇宙関連企業の株式に投資を行う当ファンドの基準価額(税引前分配金再投資、以下同じ)は、保有している防衛関連の銘柄が下支えし、「為替ヘッジなし」、「為替ヘッジあり」ともに世界株式と比べると堅調な動きとなっています。また、当ファンドの基準価額は2025年初来、米ドル円が下落(円高ドル安)したことが大きな下落要因となり、実質的な株価の値動きはしっかりと推移しています。
■足元の株式市場の下落は、主に米国の関税政策などを巡り米景気に対する不透明感が強まり、投資家のセンチメントが悪化したことによるもので、宇宙ビジネスに対する懸念によるものではありません。宇宙ビジネスの市場見通しに変化はなく、宇宙産業は今後もさらに成長することが期待されており、当ファンドが保有する宇宙関連企業の利益は堅調な成長が見込まれています。
※基準価額(税引前分配金再投資)は信託報酬控除後です。
※当ファンドの一株当たり利益(EPS)成長率は、東京海上・宇宙関連株式マザーファンドの保有銘柄をもとに算出。各企業の市場コンセンサス予想を基に作成。
※世界株式:MSCI ACWI指数、米ハイテク株:ナスダック総合指数、各株価指数は、税引後配当込み、円換算。
※上記の株価指数は、当ファンドのベンチマークではありません。
世界の航空宇宙・防衛関連企業の株価は上昇
■欧州連合(EU)は3月6日の特別首脳会議で「再軍備計画」の推進で合意し、防衛力の強化へ8千億ユーロの資金確保を目指すこととしました。欧州をはじめとして、日本など各国が防衛費への支出を増やし、関連企業の業績が伸びるとの観測等を背景に、世界の航空宇宙・防衛関連企業の株価は上昇しています。
■世界の軍事費は拡大基調となっており、2024年の軍事費も2023年比で増加し過去最大を更新しました。2025年2月中旬までは、トランプ相場で株高が先行しましたが、足元では景況感の鈍化がみられ、軍事費の拡大が支えとなる航空宇宙・防衛関連株式に注目が集まりやすい環境が続いています。
「宇宙開発競争」で競う世界の大富豪マスク氏とベゾス氏
■アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏は、2000年に私財を投じてブルーオリジンを設立し、約25年を経て1月16日に初めて大型ロケット「ニューグレン」を打ち上げました。一方、テスラの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏は、2002年にスペースXを設立し、わずか6年でロケット「ファルコン1」を地球周回軌道に乗せることに成功しました。宇宙開発をリードする両者ですが、宇宙開発の進展を見ると、マスク氏が先行しており、ベゾス氏は後を追う状況となっています。この違いは、両者の宇宙開発におけるアプローチや資金調達方法の違いからもみてとれます。
「アジャイル型」で開発するマスク氏
■リスクを恐れずに、失敗から学び、迅速に改善を繰り返すアジャイル開発で開発スピードを大幅に向上。
■スペースX初期のロケット「ファルコン1」の開発に1億米ドル(約150億円*1)を投入したといわれる。米国防総省やNASAとの大規模な契約で強力な後押しを受け、民間顧客や外部の投資家を引き付け資金を調達。
「アジャイル(Agile)」とは「俊敏な、機敏な」という意味で、アジャイル開発は、シリコンバレーで広く採用されているシステム開発手法です。
一連の工程を短期間で繰り返しながら開発を進め、迅速にフィードバックを取り入れて改善を行います。アジャイル開発は、製品の品質向上と開発のスピードを大幅に向上させるため、システム開発において重要なアプローチとなっています。
慎重なアプローチをとったベゾス氏
ブルーオリジンに累計146億米ドル(約2兆1,850億円*1)を投じたと推定。最近まで自己資金のみで同社を支え、慎重なアプローチをとってロケット技術を開発。開発が難航していた大型ロケット「ニューグレン」を1月に打ち上げ、大きく先行するスペースXを追う。
出所:各種資料を基に東京海上アセットマネジメント作成。
*1 1米ドル=149.67円(2025年2月末時点)で円換算。
※上記に記載のスペースXとブルーオリジンは未上場です。また、アマゾン・ドット・コム以外、2025年2月末時点で当ファンドの組入銘柄ではありません。
地球観測衛星の市場規模は拡大見通し
■リモートセンシングとは、遠く離れたところから、対象物に触れずに対象物の形や性質を測定する技術のことで、計測するセンサーは地球観測衛星だけでなく、航空機やドローンなどにも搭載されます。衛星リモートセンシングのデータは、スマートフォンの地図アプリの画像や気象情報の観測等、私たちの生活の身近なところですでに使われています。
■気候変動や安全保障、経済社会の環境変化等を背景に、世界で地球観測衛星の重要性が増しています。AI(人工知能)や深層学習の進歩、小型衛星コンステレーション活用による観測の即応性向上等により、地球観測衛星の活用は、安全保障やビジネス用途等で拡大しています。
■世界の地球観測衛星の市場規模(データ及びこれを活用した付加価値サービスの売上高)は2023年の約34億ユーロ(約5,244億円*2)から2033年までに約59億ユーロ(約9,243億円*2)に拡大する見通しです。
*2 1ユーロ=155.6円(2025年2月末時点)で円換算。
今後、衛星データは様々な用途での活用が期待
■地球観測衛星は気候変動、都市開発、農業、エネルギーの分野が市場の半数を占めています。衛星には、地球の陸地、海洋、大気、気象パターンに関するデータを収集する様々なセンサーや機器が搭載されており、収集されたデータは、環境モニタリング、天然資源管理、気候研究等、幅広い用途に利用されています。
■広範囲のデータを衛星で取得し、状況に応じてドローンや地上のカメラで局地的なデータを取得すれば、組み合わせて必要な解析を行うことができるようになるなど、今後、衛星データは様々な用途での活用が期待されています。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧にあたっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『宇宙の市場見通しに変化はなく、宇宙産業は今後もさらに成長【解説:東京海上アセットマネジメント】』を参照)。
※東京海上アセットマネジメントは「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし/為替ヘッジあり)」を運用しています。宇宙関連企業の株式等の運用は「ヴォヤ・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシー(ヴォヤIM)」が行います。
※上記は個別銘柄への投資を推奨するものではありません。また、今後の当ファンドへの組み入れを保証するものではありません。
※上記は過去の実績および将来の予想であり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。
※上記は資料作成日時点におけるヴォヤIMの考える今後の見通しであり、その内容は、将来予告なく変更されることがあります。
※本記事は東京海上アセットマネジメントのファンドレポートの一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文及びファンドのリスクや概要は東京海上アセットマネジメントのレポートをご確認ください。





