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住宅ローン長期化のリスク
終身雇用制度が崩壊し、収入も右肩上がりではなくなった現代、長期のローンを抱えることは老後破産のリスクも高まります。ですが、住宅ローンの返済期間は長くなる一方です。平成に入って以降、住宅ローンの返済期間の主流は25年から35年に。令和に入ると、40年、50年という超長期の返済期間のローンも利用できるようになりました。
返済期間が延びるほど先が見えにくくなり、老後にリスクを先延ばししていることになります。また、65歳時点での返済残高が大きくなり、オーバーローンの確率も高まるでしょう。
40歳で借り入れ、65歳での住宅ローン残高
■3,000万円借り入れ 金利1.0%(適用金利)の場合(ボーナス返済なし 元利均等返済)
・30年ローン…毎月の返済額:9万6,492円 65歳時点の残高: 564万4,863円
・35年ローン…毎月の返済額:8万4,686円 65歳時点の残高: 966万6,864円
・40年ローン…毎月の返済額:7万5,857円 65歳時点の残高:1,267万4,605円
「ローン期間を長くして毎月の返済額が減った差額を資産運用したほうがいい」とアドバイスをする人もいるようですが、住宅ローンの返済期間中はなにが起こるかわかりません。返済期間は慎重に決定しましょう。「繰上げ返済すればいい」と考える人もいますが、家を購入しようと考える時期は家計に余裕のあるときです。子どもの教育費アップや収入ダウンなどで、繰上げ返済も予定どおりにいくとは限りません。
もし返済に困ったら早めに金融機関に相談するようにしてください。
〈参考〉
※ 東京商工リサーチ「2024年の「早期・希望退職」 3年ぶり1万人超 募集社数57社、募集人数は前年の3倍に急増」
川淵 ゆかり
川淵ゆかり事務所
代表