
転職希望者1,000万人時代!
転職が当たり前のような時代になってきていますが、転職希望者は2023年に初めて1,000万人を超えました。特に正規従業員の転職希望が急増しており、2020年以降は非正規従業員の転職者数を上回っています。
転職後に賃金が増えた人は転職者全体の35%とされていますが、実際に転職に踏み切る人は横ばい。なかなか容易な状況ではないようです。
深刻な人手不足だが…「早期退職の募集」が急増するワケ
大企業に勤務する32歳で月収41万円のAさんも、かねてより転職を考えている1人。大学新卒で採用された勤め先で、当時は親をはじめ周りからも「大企業だし、一生安泰だね」といわれ、自分も定年まで勤めきるつもりで入社しました。ですが、近年は社内で早期退職の募集が始まったこともあり、同じ会社に在籍する少し上の世代の人たちがおかれている様子をみて、自分のキャリア形成に不安を感じます。「自分自身もこの会社に定年まで勤めるのは難しいのではないか? それなら若いうちに」と転職サイトなどをときどき覗くようになりました。
東京商工リサーチ※2によると、2024年に「早期・希望退職募集」した上場企業は57社(前年41社)で、前年から39.0%増加したと発表しています。募集人員は1万9人(同3,161人)と3倍に急増。2021年の1万5,892人以来、3年ぶりに1万人を超えています。
上場企業の早期・希望退職募集が増えた背景には経営の悪化などがあるのか、と考えてしまいますが、そうでもなさそうです。黒字が34社(構成比59.6%)、赤字が23社(同40.3%)で、黒字が約6割を占めています。また、黒字企業の募集人数は8,141人で、全体の約8割(同81.3%)を占め、赤字企業の募集人数は1,868人となっています。