
シングルマザーの母親が病気で…孫に泣きつかれた75歳の祖父
悠々自適の老後生活を送っている75歳のAさんは、73歳の妻と48歳の会社役員の長男家族と郊外の戸建て住宅に同居しています。
Aさん夫婦にはもう一人、次男がいましたが、10年前に不慮の事故で亡くしています。この次男は二十数年前に結婚して息子を一人もうけていました。ところがAさん夫婦は、次男が連れてきた相手が気に入らず、結婚に反対をしたため、次男は家を飛びだし駆け落ちのような形で結婚しました。Aさんは次男を大変可愛がっていた分、親としての怒りも増幅してしまい、それからは縁を切っているような状態が続いていたのです。10年前に次男が亡くなったときにAさん夫婦は葬儀に出席しただけで、その後も次男の嫁や孫とも連絡することはありませんでした。
孫からの突然の電話
それでも孫のことが気がかりだったAさん夫婦でしたが、ある日、Aさんが自宅に居るタイミングでこの孫から突然電話が入ります。
孫は大学2年生になっており、「シングルマザーとして自分を大学まで入れてくれた母親が病気になってしまい、生活が苦しくなった。自分もバイトをしながら大学に通っているが、大学はどうしても辞めたくないから助けてほしい」というものでした。
Aさん夫婦として、嫁は憎いのですが孫のことは気になります。やはり本人が希望するように大学は卒業させてやりたい、と考えるようになりました。
「今後も会うかどうかはわからない関係なので、継続的な援助ではなく、まとまった金額を渡したい」と考えたAさん夫婦は長男と相談して、『生前贈与』という形で2,000万円を渡すことにしました。亡くなった次男の息子(Aさんの孫)は、れっきとしたAさんの相続人となります。
「あれ? でも、これって贈与税がかかるんじゃないかな?」