50~54歳の平均給与「540万円」だが
国税庁『民間給与実態統計調査』(令和5年)では、年齢別の平均給与が明らかになっています。その結果は下記のとおり。
【年齢別平均給与・男女計/全体平均460万円】
20~24歳・・・267万円
25~29歳・・・394万円
30~34歳・・・431万円
35~39歳・・・466万円
40~44歳・・・501万円
45~49歳・・・521万円
50~54歳・・・540万円
55~59歳・・・545万円
60~64歳・・・445万円
65~69歳・・・354万円
給与額のピークは50代後半。働き盛りの若い世代は、「これから頑張って働き続ければお金も順当に増えるのかな」と、少し明るい気分になるデータでしょうか。
他方、中高年の間では「世代内格差」が問題視されている現実があります。就職氷河期に直面した団塊ジュニアの方々は特に、正規・非正規の強烈な格差を痛感していることでしょう。
「正規の従業員の仕事がないから」…40代男性の悲鳴
「就職氷河期」。今でこそ誰しもが知っている言葉ですが、政府が本格的な就職氷河期世代の支援を始めたのは2019年のこと。翌年、新型コロナが爆発的に感染拡大したことを踏まえると、やはり「不遇の時代」が今なお続いていることは想像に難くないでしょう。
そして就職氷河期の先陣を切った世代、団塊ジュニア。第2次ベビーブーム世代のことを指します。おおよそ1971年~74年生まれであり、現在50歳~54歳の方々です。
度重なる不況に苦しめられてきた団塊ジュニア。ひとつ前の世代はバブル期であり、売り手市場のなかで勤め先を決めたものですが、彼らは厳しい生活を余儀なくされました。
総務省『労働力調査(詳細集計)』(2024年7~9月期平均結果)によると、非正規の職員・従業員数は2,116万人。
非正規となった理由については「自分の都合のよい時間に働きたいから」722万人、「家計の補助・学費等を得たいから」354万人、「家事育児・介護等と両立しやすいから」228万人、「正規の職員・従業員の仕事がないから」176万人、「専門的な技能等を活かせるから」166万人、「通勤時間が短いから」119万人、となっています。
ただ、上記は男女合計のアンケート。働き方の多様化が進んではいますが、女性の場合、家事をしながらパートで働くという選択肢を取るのも一般的といえます。
そこで男性に限ったアンケート結果を見ていくと、「自分の都合のよい時間に働きたいから」222万人に続き、「正規の職員・従業員の仕事がないから」の86万人が多くなっています。