
深刻な人手不足だが…「早期退職」を増やすワケ
背景には、新卒社員の大幅な初任給引き上げもあるのではないか、と考えます。「大和ハウス工業」は新卒初任給を一律10万円引き上げることを発表し、大卒社員の初任給は35万円になる見通しとしています。ですが、かつて同社は2008年から早期退職優遇制度を導入。2021年度には対象者を勤続15年以上から勤続10年以上の社員(45~54歳)に広げており、その割合は全社員の25%にあたる約4,300人規模になる、と報じられ話題になりました。
このように、早期退職制度により社員年齢構成の見直しを行い、初任給引き上げで優秀な若手社員を確保したいと考える大手企業は少なくありません。
Aさんは、会社が若手社員の採用に力を入れる一方で、中高年層の待遇改善に消極的な姿勢を見せたことを不満に思いました。将来、自分も同様に扱われるのではないかと不安になり、「自分は使い捨てにされている。せっかく努力してきたのに、そんな扱いはまっぴらごめんだ」と転職を決意しました。
大企業勤務のハイスぺサラリーマンが転職に失敗…意外な原因
さて、Aさんはその後、ある企業の面接を受けます。Aさんは早大卒で、これまで10年以上勤務してきた会社でもしっかりとキャリアを積み、社内で表彰されたこともあります。自信満々で最終面接まで終えたAさんですが、なんと届いたのは「不採用」の通知。「お祈りメール」を受けとり、大きなショックを受けます。
「なんで俺が不採用なんだよ!」どうしても納得のいかないAさんは、同じ大学出身で大企業の人事部に勤める友人に相談しました。
すると友人からは「お前、大学時代からSNSやってたよな。それじゃないかな」とまさかの指摘を受けます。
人材募集のために、SNSで発信を行う企業は増えてきましたが、就職・転職希望者の発信するSNSも企業側はチェックするケースは増えています。面接だけの短時間では、入社希望者の本質はなかなか見抜くことはできません。「面接では本音で話したのか?」「どんな考え方を持っている人間なのか?」といったことを知るために普段使っているSNSをチェックすることは当たり前のようになってきました。
・SNSでの情報発信のマナー
・情報リテラシーの有無
・採用後のトラブル防止
など、入社希望者のSNSをチェックする企業側の目的はさまざまです。