望むか望まないかは別として、会社員は誰もが出世の道を歩んでいるもの。そして頂点に達するのは、ほんのひと握りの人たちだけです。しかもその過程で、思わぬ事態に遭遇することも珍しくないようです。
そんな人だとは思わなかった…〈月収120万円〉45歳部長、周りからの信頼も厚かったが…「裏の顔」を暴露する怪文書に部下、戦慄 (※写真はイメージです/PIXTA)

部長の裏の顔を告発する、送り主不明の怪文書

もちろん若くして部長に抜擢されたのは、実績あってのこと。仕事は社内の誰よりもできる、それでいて人当たりがよく、部下であっても分け隔てなく接してくれる。周囲からの信頼も厚く、まさしく「理想の上司」だったそうです。しかしある日、部内の多くの社員に怪文書が送られてきたといいます。送り主は不明。ただその内容から、出世コースから脱落した45歳部長の同期ではという憶測が飛び交いました。

 

その内容は事実かどうかわかりませんが、まずは10年以上も不倫をしているといった私生活の暴露。さらに上層部を取り込むための二枚舌な社内政治の様子。卑怯なことを重ね、同期を蹴落として、部長に上り詰めた……その描写はリアルで具体的。真実味のあるものでした。そんな怪文書以来、パーフェクトだった部長のイメージは「いい人そうにみえて、本当は怖い人」「絶対に敵に回してはいけない人」に変わってしまったといいます。

 

株式会社R&Gが社会人の男女に対して行った『怖い上司に関する意識調査』によると、上司が怖いと感じるシーンとして最も多かったのが「口調・話し方が怖いとき」で26.0%。「イライラを隠さないとき」19.8%、「ミスを追及される」16.8%、「反応が薄い・冷たい」10.6%、「プレッシャーをかけられる」6.6%と続きます。

 

▼「上司が怖いと感じるシーン」1位…口調・話し方が怖い

・大きな声で誰かに怒っているとき(20代 女性)

・忙しいとイライラして、言い方が怖くなる(30代 女性)

・言ってはいけない言葉を使うなど、言葉の選別ができない上司(40代 男性)

 

▼「上司が怖いと感じるシーン」2位…イライラを隠さない

・イライラしているとき。上司が貧乏ゆすりをしていたりため息をついたりしていると、「自分が原因だったら…」と怖く感じます(30代 女性)

・朝、上司の顔を見て「明らかに機嫌が悪い」と感じたとき。何かとあら捜ししてくるので怖いと感じる。朝から不愛想で、言葉が荒くなるのでわかりやすい(40代 女性)

・書類を投げられたとき(50代以上 男性)

 

▼「上司が怖いと感じるシーン」位…ミスを追及される

・理路整然と責められる(20代 女性)

・理詰めでミスを追及されるとき(40代 男性)

・冷静な顔をして理論的に問い詰められるときが怖いです(50代以上 男性)

 

最近、怪文書の存在が部長の耳にも入り、火消しに躍起になっているという噂。そのことがさらに「一生懸命なのは真実だから」と信憑性を深めることになり、部内は一層混乱を極めたといいます。

 

――今は落ち着きましたが、一度ついたイメージって覆すのは難しいですよね。怪文書まで出回るなんて……上に上り詰めるって大変なことなんですね

 

 

[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

株式会社R&G『怖い上司に関する意識調査』