小学校受験で子供が幸せになれる条件とは?
――著書でも「小学校受験を幸せな選択にするために」と書いていらっしゃいますが、子供が6年間過ごして幸せになれる条件や特徴はありますか?
狼侍:専門家もおっしゃっていることですが、やはり子供は環境によって育ち方が変わります。その学校の「カラー」や教育方針にも影響を受けるため、どのような環境で育てたいかを親がしっかり考えることが大切です。
――本でも「見元確認の次に大切なのが本人の考査でなく、親の資質である」と書かれていましたが、やはり親の意識がなによりも大事なのですね。
狼侍:子供がその学校に「合う」「合わない」というのは確かにあると思いますが、基本的には親が「この学校の方針に共感し、この環境で子供を育てたい」と思えるかどうかにかかっていると思います。だからこそ、親の意識なにより重要だと考えています。
小学校受験をさせるのは「かわいそう」?
――「かわいそう問題」に関してお聞きしたいのです。ひと昔前は中学校受験についてもいわれていましたが、よく「そんなに小さいころから塾に通わせるなんてかわいそう」という声を聞きます。親としてどのように意識を持つべきでしょうか?
狼侍:「かわいそう」と言われることに対しては、冒頭でもお伝えしたとおり、「育児の延長」だと捉えれば、それほど気にしなくてもいいと思います。
小学校受験で言えば、たとえばペーパーをガリガリやる姿が異様というか目立つかもしれませんが、それ以外にも工作をしたり、体操で体を動かしたりする時間も多いです。全体としては、育児に組み込まれたさまざまな活動を、受験という目標に合わせて体系的に整理しているだけなんですよね。
だから、受験をしない家庭でも、英語の習い事やタブレット学習など、似たようなことをしていますよね。やっている内容はそれほど特別なものではなく、「育児の一環」という視点で見れば、むしろ当たり前のことが多いです。
ただし、やりすぎは問題です。発達に合わないタイミングで無理をさせると、結果的に子どもを追い詰めてしまいます。それが本当の「かわいそう」で、半年もすれば自然にできるようになることを、無理に今やらせる必要はないんですよね。
――具体的なカリキュラムの内容についてはどのようなものがありますか?
狼侍:小学校受験のペーパーの内容は、意外と「常識的」なものが多いんです。たとえば、季節の行事や果物の名前、理科的な知識として「なにが沈むか」「なにが浮くか」といった問題、空間認識を養う図形の問題などですね。また、数の概念や簡単な計算など、公文で扱うような内容も含まれています。
一見すると「勉強している」という印象を受けるかもしれませんが、実際には育児や遊びの延長に近いです。それが体系的に行われているだけで、「負担が大きい」と感じるような内容ではありません。むしろ、先取り学習のほうが負荷が高い場合もあります。
THE GOLD ONLINE編集部
