自社に新しい考え方を取り込める可能性
高齢者採用のリスクは、若い人と比べて病気やケガをする可能性が高く、そのせいで辞めてしまうかもしれないことです。
企業への調査でも、65歳以上の人材を採用しない、またはできない理由として、体力や健康面の不安を挙げる企業が多いのです。 若い人と比べて働ける期間も短くなります。最近の高齢者は体力的にも意欲的にも元気ですが、そうはいっても10年やそれ以上にわたって働くことは難しいでしょう。
ただ、ここは考えようです。若い人のほうが長期雇用できるのは事実ですが、近年は転職が珍しくなくなっているため、 短期で辞めてしまうリスクは若者にもあります。 むしろ高齢者のほうが就職先の選択肢が限られるため、業務内容や社風さえマッチングできれば、数年にわたって確実に働いてくれる安心感があるともいえます。
高齢者の採用では、ベテラン特有の頑固さがあったり、柔軟性に欠ける人が多かったりすることも懸念点です。これも考え方次第で解決できます。
企業は採用した人に自社の価値観などを理解してもらい、社風や業務プロセスになじんでもらおうと考えます。わかりやすくいえば、自社の色に染めようと考えるのです。企業としては当然かもしれませんが、高齢者のように前職での経験が長い人は新しい価値観などを受け入れるのに時間がかかります。
そこで、染めるのではなく活かすことを重視する考え方に切り替えます。その人の考え方などを否定したり、変えようとしたりするのではなく、それもその人の経験の一部と位置付けて、良いところを抜き出し、自社に取り入れるということです。
採用全般にいえることですが、新しい人が入るということは、新しい考え方を取り入れるということでもあります。マネジメントを例にとると、自社では褒めて育てる方針を持っていたとしても、たまには厳しく指導することが必要かもしれません。業務プロセスも、他社のやり方を知る人が入ってくることが改善の機会になります。
そう考えると、自己流を持つ高齢者は否定的に見れば頑固ですが、肯定的に見れば自分たちを変える機会といえます。とすれば、相手の考え方ややり方を尊重しながら、共存、協業していくことができるようになります。
渡邉崇
株式会社トランスヒューマン代表取締役
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