ヨーロッパ有数の観光国家スペイン。日本人の投資先・移住先としても少しずつ注目を浴びてきていますが、今回はスペイン経済の現況を見るとともに、バルセロナを中心とする不動産投資の最新事情を見ていきます。

2012年の経済危機から徐々に回復

2015年通年のスペイン経済成長率GDP(見込み)は前年度と比べて3.3%になり、リーマンショックの影響で経済低迷した2009年、スペイン経済危機と言われた2012年からも、徐々に回復してきています。

 

2013年のスペインの経済規模はEU圏内で5位(GDP:約1兆4100億ドル)、世界で13位。インフラ業、金融、通信業において優良な企業も多く、EU連名国の優等生としてヨーロッパ5大国、先進国として知られています。

 

近年のスペイン経済を概観してみると、1986年、欧州共同体EC(現EU)に加盟による内需拡大、1992年にはバルセロナオリンピックとセビリア万博を開催。その年をきっかけに特にバルセロナを中心に経済の発達が進みました。

 

21世紀に入っても、スペインは欧州連合の平均を上回る経済成長を続けています。1999年にユーロ導入、利子率が低下し、建設産業を中心に資金流入されました。ホテル・レストラン等のサービス増加、高度経済成長で雇用増加、不動産ブームが続き高インフレも発生。しかし緩和的な金融政策及び財政黒字が2007年まで続きました。

 

2008年から2010年までスペイン経済危機が続きましたが、2011年から現首相ラホイ政権による経済危機からの厳しい緊縮財政政策や構造改革を断行してきた結果、失業率は2015年には低下してきており25%程度、スペイン国債(10年物)利回りは2015年9月で2.06〜2.18%と低下しており、国としての信頼を取り戻しています。

活況を呈する「バケーション賃貸ビジネス」

イギリス、ドイツ、オランダなどの北ヨーロッパの人々が、ヨーロッパの中でも物価が安く、天気がよく、住みやすいスペインにアパートを買って住む、また購入したアパートで賃貸投資をすることは、スペインのバルセロナオリンピック以降、特に顕著になりました。近年では、夏のバケーション賃貸ビジネスがブームであり、アメリカ、ロシア、中国など世界からの個人投資家が不動産投資をしています。

 

スペインは夏のバケーション地として世界中から人気が高く、6月から9月にかけて、スペインのビーチに長期休暇をとって宿泊する観光客は、年々増加しています。

 

そのため、夏だけのバケーション賃貸がはやっており、バケーション賃貸ライセンスを持っている物件が、夏には16〜20%の利回りになります。例えば、バルセロナのビーチ・観光地に近い1ベッドルームで、通常は1000ユーロ/月、年間5〜6%の利回り程度の物件が、6月から9月までは年間16〜20%の利回り、例えば1000ユーロ/週でも貸し出す事ができます。

 

国内・国外バケーション賃貸物件投資家は、10月から5月は自分たちで住んで、6月から9月は観光客に貸していたりします。またその逆で、6月から9月は自分たちで住んで10月から5月までの間を貸したりしています。

裕福な投資家を惹きつけるバルセロナの不動産

バルセロナは、世界中でも贅沢な生活ができる場所として知られています。そのため近年では、世界各国の裕福な投資家や有名人が物件を購入しています。

 

バルセロナは地中海に面し、気候も良く、食べ物もおいしく、2015年時点で23のミシェリン星付きレストランがあります。ヨーロッパの中では物価も安く、過ごしやすいことで知られており、そのライフスタイルに惹かれた投資家が、ニューヨーク、パリ、ロンドンなどの伝統的な投資都市を超え、バルセロナの不動産投資をポートフォリオに追加しています。2013年にはローリングストーンズのギタリスト、ロニーウッドが、歌手のシャキーラやサッカーチーム、バルサのピケ選手も家を建築中です。

 

今年のスペインでの国際不動産展示会で、バルセロナでは15万ユーロ以下の物件を探しているバイヤーは36.5%から22.1%に低下しました。逆に、30万ユーロ以上の物件を探しているバイヤーは、2014年に比べて12.8%から21.6%に上がっている事が発表されています。バルセロナは非常に魅力的な街で、開発力があり、飽きのこない街で将来の成長の可能性を秘めている街として、ますます裕福な不動産バイヤーを惹き付けているのです。

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