バルセロナは都市評価の専門家たちから「国際都市」「長期的な戦略都市計画を実施している都市」として高く評価されており、また、その評価順位を年々上げています。今回は、国際的にも評価が高まるバルセロナの賃貸住宅事情、住宅販売事情を統計データから見ていきます。

2015年のバルセロナの世界的評価は「第6位」

“City Rep Track”の2015年のレポートによると、バルセロナ市は世界で評価が6番目に高い都市に選ばれました。この“City Rep Track”は、Reputation Instituteが毎年100都市の経済、環境、都市管理、教育などを含む13項目を評価し、結果をポイント制で付けて順位を決めています。ちなみにマドリードも21位に選出されています。

 

“City Rep Track”が選ぶ世界で最も評価が高い都市(2015年)

1位 シドニー

2位 メルボルン

3位 ストックホルム

4位 ビエナ

5位 バンクーバー

6位 バルセロナ

(※21位 マドリード)

 

都市評価をする“Reputation Institute”の専門家たちは、バルセロナ市を「国際的都市」「長期的な戦略都市計画を実施している都市」として評価しています。バルセロナ市は2012年以来、毎年順位を上げており、それは特に、環境、インフラ、美観の改善がなされていることを示唆しています。また、都市観光業の増加、外国からの投資数、外国からの優秀な人材の増加が、特に目立っています。

スペイン各州の賃貸価格はどうなっているか?

賃貸市場の価格変動は、住宅市場の基準のひとつです。

 

最新の賃貸市場レポートでは、賃貸住宅の平方メートルあたりのスペインの平均価格は6.9ユーロ/㎡となり、2015年第3四半期は、一年前と比べて全体に4.9%下落していることが明らかになりました。しかし、賃貸市場には大きな地域差があり、同じ州内でも、市部と地方部の格差があります。

 

2015年も、マドリード自治州(10.6ユーロ/㎡)が最も賃料が高い州でした。 次にバスク州(10.1ユーロ/㎡)、カタルーニャ州(9.8ユーロ/㎡)、バレアレス諸島(9.1ユーロ/㎡)・・・と続きます。

 

賃料の高い州の所在と各地域のおおよその賃料
賃料の高い州の所在と各地域のおおよその賃料

 

逆に、一番賃料が安い州は、エストレマドゥーラ州(4ユーロ/㎡)、カスティーリャ・ラ・マンチャ州(4.4ユーロ/㎡)とラ・リオハ州(4.8ユーロ/ ㎡)でした。

 

主な都市の比較では、バルセロナ市(11.5ユーロ/㎡)、マドリード市(10.6ユーロ/㎡)、ビスカヤ市(10.3ユーロ/㎡)が上位3位。 アビラ市、ハエン市とルーゴ市(すべての市で3.9ユーロ/㎡)で、最も賃料が安い地域になっています。

スペインの住宅販売数は16.6%も増加している

売買契約登記書を統計している機関での住宅物件売買契約登記書の登録数は、この3ヶ月の間で9万2386件になり、昨年の同時期より16.6%も増加しているとの発表がありました。2015年1月からの登録数は、34万8388件で、住宅価格のほうも、例年より外国人が多く購入した事もあり、第2四半期よりも6.6%増加しました。

 

中古住宅の販売数は7万4769件で、第2四半期よりも8.8%の増加です。新築住宅販売数は1万8017件で2.5%減少しましたが、夏のバケーション時期に中古販売数が多くなるのは例年通りです。

 

この2015年7月から9月の9万2786件の住宅販売数は、第二四半期に比べて6.4%の増加と、2013年6月以来、最高の販売実績の結果になっています。

 

地域別の販売数では、アンダルシア州(1万8676件)、カタルーニャ州(1万4508件)、バレンシア州(1万4050件)、マドリード州(1万3132件)で、住宅バブルの2007年以来、各州で住宅購入数の最高記録を更新しています。

 

州ごとの住宅販売数の分布

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