スペインでは不動産価格の回復傾向が見られ、国内外にいる外国人の購入も目立っています。今回は、なぜそれほどまでに外国人に購入されているのか、そして、なぜスペインは平均給与がさほど高くないのにもかかわらず、セカンドハウス所有率が高いのかについて、具体的な数字を見ながら見ていきます。

2015年上半期の住宅購入は1/4以上が海外居住者

今年は海外からのスペイン住宅物件の需要も最高に達し、2015年の上半期は、バレアレス州33%、カナリア州27.5%、バレンシア州25.7%と、約1/4以上の住宅購入者が海外居住者でした。

 

スペイン政府の統計によると、2014年の海外・国内にいる外国人がスペインの住宅を購入した数は、61,062件で、全体の16.7%。2013年に比べ、17.2%の増加です。そのうち、景気が回復しポンドが高くなったイギリス人の家の購買数が、19.8%を占めています。次いでフランス人の8.1%、ドイツ人7.6%、ベルギー人6.4%、スウェーデン人5.5%そしてイタリア人の5.5%となっています。

 

2012~13年は、全体の9%を占めたロシア人の購入者が4%以下にとどまりましたが、一方で、アジアからの住宅購入者は全体から見れば少ないものの、増加傾向を見せています。これは、寒くて生活費が高い国からの移住者や、投資のためにセカンドハウスを買う外国人によるもので、2014年から購入数が増加しています。

 

(注)グラフは小数点以下切り捨てとして四捨五入
(注)グラフは小数点以下切り捨てとして四捨五入

 

増加するスペイン不動産投資ビザの申請数

スペイン政府は2103年9月30日から、50ユーロ万以上の物件を現金で購入する事によって不動産投資ビザを申請・取得できる「不動産投資ビザ」を発行していますが、2013年10月から2014年年末まで取得者は490人で、中東の不動産投資者を筆頭に、アジア、ロシアの購入者が取得しました。2015年の申請者も増加を見せています。

 

一方、最新の住宅価格の統計によると、2015年の9月末は住宅価格が昨年の同じ時期よりも0.8%安くなっていますが、住宅市場価格はここ2年ほど安定を見せています。2007年の不動産バブルの時期に比べてまだ価格は低いものの、住宅価格は少しずつ回復しており、特にバルセロナが市場をリードしています。実際、9月の昨年の同時期では、バルセロナは住宅価格が7.9%も上昇しています。

 

2015年のマドリードの住宅価格は、前年の同じ時期に比べて4.5%上昇し、2,824ユーロ/㎡になりました。それでもまだ、一番高騰した2007年第2第四半期の4,035ユーロ/㎡に比べて30%も安い価格にとどまっています。2015年は、スペインの11州の中で10州が前年同時期と比べて5%ほど上昇しており、これからも上昇する可能性を秘めています。

スペインのセカンドハウス購入率はヨーロッパで4番目

下の表でも分かるように、経済危機で注目されているギリシア人は4人に1人以上、スペインもヨーロッパの中で4番目、20.4%で5人に1人の割合でセカンドハウスを所有しています。それに比べて、平均の月給金額が高いドイツ人やオランダ人のセカンドハンド所有率は5%程で、ヨーロッパの中で一番少ない数字です。

 

 

スペイン人の平均月給金額は1,634ユーロ。スペインのセカンドハウス所有者の人口の20.4%は、44.1%が山や海の田舎に、37.3%が家の近くに所有しているという結果が出ています。また、スペイン人59.8%がバケーションのため、35.3%が週末を過ごすためにセカンドハウスを所有しています。

 

 

スペインは人口に対して家の総数も多く、余暇の時間が多いため、セカンドハウスの所有率が高いといわれています。余暇が多く、住宅の価格も低く、生活費もヨーロッパの中で低いのが、スペインの大きな魅力的なのです。

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