高齢者に多い脊椎間狭窄症
ある日、とてつもない腰の痛みを訴えた香織さん。急いで病院に行くと脊椎間狭窄症であることが分かりました。ただ、脊椎間狭窄症にはブロック注射で治ることもあり、香織さんも試してみましたが効果がありません。
精密検査の結果、香織さんの脊椎の周りには膿がたまっており、それが痛みの原因になっているとのこと。香織さんには糖尿病の持病があり、それが災いしたのかもしれません。抗生物質を点滴するもなかなか効果がなく、結局5ヶ月間入院することになってしまったのです。
入院中は横になっていることが多く、そうなると足も弱ってしまいます。車椅子での入院生活を余儀なくされ、途中からリハビリを行い始めたものの、退院時には杖が手放せない状態でした。
車を手放しているため、病院へはタクシーで
達也さんは75歳になったときに免許を返納しています。原因は右目が見えにくくなったことや、運転の反応が遅くなり、度々事故を起こすようになったことです。とはいえ、大阪は交通手段も発達しており、公共交通機関を利用することで特段不便さは感じていませんでした。
しかし香織さんは腰の痛みがあるため、必ず座れる状態の時間帯しか公共交通機関に乗ることができず、病院の診察時間によってはタクシーを使わざるを得ない状態に。長時間同じ姿勢で座っていると腰の痛みが酷くなるため、趣味の観劇も諦めなければなりません。
また、買い物も近くのスーパーではなく週に1度デパートに出かけ、食品などを買っていたことから、デパートまでもタクシーで通うことが多くなりました。腰の痛みを和らげるための鍼灸院通いも当然タクシー利用です。香織さんが通っている鍼灸院は保険がきかないことから、その出費も毎週だとかなりの額になります。
当然年に一度の国内旅行も2~3年に一度の海外旅行も今後は難しく、家で過ごす時間が多くなりました。
一度、帰省した娘の家族と一緒にレンタカーで遠出を試みたものの、恵子さんは1時間毎に休憩をしなければならず、その後も腰の痛みが続いたことから、新幹線での旅行も無理だという判断に。
病気の原因は意外なところに
恵子さんが腰を患った原因は、虫歯の治療を放置していたことでした。虫歯の細菌が腰のあたりに届き、それが膿を産む原因となっていたのです。きちんと虫歯の治療を続けていたら腰を患うことはなかったかもしれないと後悔しても時間は戻りません。
また、日頃から運動をする習慣がなかったことも退院後の回復に影響を及ぼしていました。退院後も家でリハビリを続けるよう医師から言われていたものの、恵子さんは全く行わずにいたのです。