5組に1組の「夫」がDVを受けている、衝撃の実態。妻に毎日土下座させられ、蹴りつけられ…それでも「恥ずかしくて人に言えない」【離婚専門弁護士が解説】

5組に1組の「夫」がDVを受けている、衝撃の実態。妻に毎日土下座させられ、蹴りつけられ…それでも「恥ずかしくて人に言えない」【離婚専門弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

一昔前まではDVといえば「男性が女性に暴力を振るうもの」と認識されていました。ところが最近では、女性が男性に暴力を振るうケースも増えてきているのです。本記事では、男性がDV被害者となったときの離婚について、Authense法律事務所の離婚問題に精通する白谷英恵弁護士が解説します。

男性がDV被害者の場合の慰謝料請求

夫が妻からDV被害を受けて離婚請求するとき、慰謝料も同時に請求できるのでしょうか? 

 

慰謝料が発生するのは、相手に婚姻関係を破綻させたことについての「有責性」がある場合です。配偶者への暴力は相手の人格を否定する重大な不法行為ですので、加害者には婚姻関係を破綻させた有責性が認められます。

 

ここでは男女の区別はありません。男性が被害者で離婚が認められるケースでも慰謝料を請求できます。慰謝料の金額についても、男性と女性とで区別はありません。

 

相場としては100~300万円程度となることが多いでしょう。ただし男性が被害者の場合、どうしても女性より被害結果が軽くなるでしょうから(身体的に男性の方が頑強であるため)、その意味では慰謝料の金額が女性より低めになるケースが多くなる可能性はあります。

男性がDVで離婚請求するために必要な証拠

男性がDVで離婚と慰謝料を請求するには、「証拠」が必要です。世間的にはまだまだ男性がDV被害者になるという認識がなく、証拠がなかったらほとんど誰もDV被害を信じてくれない可能性が高くなるからです。DVの証拠としては、以下のようなものを集めましょう。

 

・けがをしている部位の写真や動画
・妻から暴力を振るわれているときの録音、録画
・診断書、診療報酬明細書
・知人や関係者の証言
・妻とのメールの内容
・毎日詳細につけている日記

DV被害を受けて困ったときの相談先

男性が女性からDVを受けているとき「こんなことを誰に相談したらいいのか?」と迷ってしまう方が多数ですし、「恥ずかしい」と思って抱え込んでしまう方もおられます。しかし、それでは状況がどんどん悪化する可能性がありますし、子どもがいる場合には子どもへの悪影響も懸念されます。夫への暴力がエスカレートして子どもに波及するケースも珍しくありません。DVを受けたら、地域の男女共同参画センターなどで相談できるケースがあります。また市役所でも離婚相談を受け付けています。

 

激しい暴力を受けていて生命や身体への危険があるなら早めに警察に行きましょう。また本気で離婚を検討しているなら、弁護士にご相談いただくことをおすすめします。そもそも離婚できる事案なのか、慰謝料はどのくらいとれるのか、財産分与や親権がどうなるのかなど、見通しを説明してもらえて、今後の展望が開けるでしょう。

 

「男だから多少辛くても我慢しなければいけない」という時代は終わりました。暴力は女性からであっても許されるものではありません。困ったときには弁護士をはじめとした周囲のサポートを頼りましょう。

 

 

白谷 英恵

Authense法律事務所

 

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