5組に1組の「夫」がDVを受けている、衝撃の実態。妻に毎日土下座させられ、蹴りつけられ…それでも「恥ずかしくて人に言えない」【離婚専門弁護士が解説】

5組に1組の「夫」がDVを受けている、衝撃の実態。妻に毎日土下座させられ、蹴りつけられ…それでも「恥ずかしくて人に言えない」【離婚専門弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

一昔前まではDVといえば「男性が女性に暴力を振るうもの」と認識されていました。ところが最近では、女性が男性に暴力を振るうケースも増えてきているのです。本記事では、男性がDV被害者となったときの離婚について、Authense法律事務所の離婚問題に精通する白谷英恵弁護士が解説します。

妻のDVで男性が離婚を求め…

日常的に妻から暴力を受けている場合、男性側から離婚請求できるのでしょうか?

 

協議離婚、調停離婚なら問題なく離婚できる

まず協議離婚や調停離婚であれば、問題なく離婚請求できます。これらは話し合いによる離婚の方法なので、妻さえ納得したら理由はなんであっても離婚が成立するからです。

 

訴訟では婚姻を継続し難い重大な事由が必要

一方、妻が「絶対離婚しない」などと強硬に主張するケースもあるでしょう。その場合には、訴訟によって離婚を認めてもらう必要があります。法律が訴訟による離婚を認めるのは、以下の5つのケースに限られます。

 

・不倫
・悪意をもって相手を見捨てること
・3年以上の生死不明
・回復しがたい精神病
・その他婚姻を継続し難い重大な事由

 

女性がDV被害を受ける場合、多くのケースでは5番目の「婚姻を継続し難い重大な事由」と評価されて離婚原因と認定されています。婚姻を継続し難い重大な事由は、不貞や悪意の遺棄、3年以上の生死不明などに準じる程度の重大な問題により夫婦関係が破綻してしまった場合に認められます。

 

男性がDV被害者の場合にも、妻による暴力が酷すぎてもはや夫婦関係を継続するのが不可能となってしまったら、婚姻を継続し難い重大な事由が認められて離婚できる可能性があります。ただし、暴力の程度が軽い場合には離婚原因にはなりません。どういった場合に離婚できてどういった場合にはできないのか、みてみましょう。

 

男性がDV被害を受けて離婚できる可能性が高いケース

・妻から顔面を拳で殴られてけがをする、その程度の暴力が日常的に行われている
・妻から土下座をさせられて蹴りつけられ、流血するけがをした、その程度の暴力が日常的に行われている
・妻からバットで殴られてけがをした、日常的に同程度の暴力を振るわれている

 

離婚が認められるには、けがをするほどの酷い暴力があり、それが日常的に繰り返されていることが必要です。

 

男性が暴力を振るわれても離婚できない可能性が高いケース

・妻から平手で殴られた
・妻が暴れるので制止するのにけがをした
・妻から1回蹴られた

 

このような軽い暴力の場合や、暴力を振るわれた回数や頻度が少ない場合には離婚原因と認めてもらえない可能性が高くなります。

 

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