税務調査官「私が間違っていたみたいですね、すみません」…年商1億円の60歳社長、税務調査で“社用車のポルシェ”がやり玉に→〈経費計上〉が認められたまさかの理由【税理士の助言】

税務調査官「私が間違っていたみたいですね、すみません」…年商1億円の60歳社長、税務調査で“社用車のポルシェ”がやり玉に→〈経費計上〉が認められたまさかの理由【税理士の助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

個人・法人とわず、突然やってくる「税務調査」。その税務調査において、個人事業主や法人が指摘される項目に「経費」があります。大好きなポルシェを社用車にしていたコンサルティング業社長のAさんは、税務調査で指摘を受けました。しかし、最終的には調査官が“謝罪”する結果に。いったいなぜポルシェが経費として認められたのでしょうか。事例をもとに、多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士が解説します。

税務署から狙われないための、3つのポイント

では、税務署に疑われないために、あるいは万が一税務調査を受けても追徴課税を避けるために、どのような点に気をつければよいでしょうか? 考えられる対策は下記の3つです。

 

1.支出金額が常識の範囲内であること

事業に必要な経費であっても、一般的な常識を超えた金額は経費として認められません。たとえば、高額な飲食代や、高級ホテルでの宿泊代などは“常識を外れている”と判断され、経費として認められない場合があります。

 

2.事業運営に関わる経費であると証明できること

取引先との食事代や、取引先へ行く出張費用などは事業のために必要な経費と認められますが、それを客観的に証明できる資料がない場合、それが事実であったとしても経費として認められない場合があります。レシートや領収書など、証拠となる資料を保管しておくようにしましょう。

 

3.支出が「期間損益」に対応した経費であること

企業の会計処理は、会計期間を区切り損益計算を行うため、収益と費用はその発生した期間に正しく処理するという費用収益対応の原則があります。そのため、会社の状況によって経費を計上する期を後にずらしたり、前倒ししたりすることはできないので、事業運営に必要な経費だったとしても、費用収益対応の原則に当てはまらなければ、その経費は計上できないことになります。

ハマる人多数…「経費計上」の落とし穴

企業が営業活動をすることにより生み出された成果を「収益」といい、収益から経費を差し引いた額が利益です。すなわち、経費が大きくなればなるほど利益は小さくなります。

 

経費にすることで節税につながると考えると、経費で落とすことはいいことばかりのように思えますが、「経費を増やす」=出費が増えることに変わりありません。経費が増えすぎると赤字になってしまいます。

 

また、なるべく多く経費で落とそうと考えた末、実際には使用していない経費を不正計上する企業もあります。

 

特に、接待費などは不正計上されることが多い勘定項目です。経費の不正計上、架空計上は犯罪であり、税務調査などで発覚した場合には、過少申告加算税のペナルティが課されます。また、悪質とみなされた場合には重加算税が課されることもあり、会社の信用にも関わることになりますので注意が必要です。

 

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