1on1ミーティングは上司・部下における対話や面談のひとつの形態です。部下の育成やモチベーション向上を目的としていますが、会社からの要請でわざわざ場所と時間をして定期的に実施しているものの、上司にとっても部下にとっても単なる負担にしかなっていない、というケースは少なくありません。本記事では、小川隆弘、氏による著書『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)から一部を抜粋・再編集して、1on1の基本となる「9つの心得」を解説していきます。
部下の管理能力が高い上司が1on1ミーティングでさりげなくやっている「9つのこと」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「わかる」と「できる」は違う

1on1は上司・部下における対話や面談のひとつの形態です。1対1の対話ですから、何もむずかしいことをしようとしているわけではありません。「部下とよりコミュニケーションを取る」といった、社会人にとってごくふつうのことです。

 

ところが、わざわざ場所と時間を設定して1対1でコミュニケーションを取ろうとするため、また、会社からの要請もあるため、特別なことに考えすぎている側面もあります。実際に「9つの心得」が身についている多くの上司の方にとっては、1on1は大きな負担になっていません。IT関連企業や新たなサービスを展開している新興企業の多くの管理職は、日々粛々と1on1を実践・継続されています。過大な負担とまではなっていないようです。優先順位もありますが、その理由のひとつは「9つの心得」が自然と身についているからでしょう。

 

私も当たり前のこと、つまり「9つの心得」を実施し、継続してみたのです。いろいろな失敗を経験しながらも、あたまでわかっていたことを、とにかく実践・継続しました。すると、「わかる」から「できる」になったのです。できた理由は実際にやってみて継続したにすぎません。

 

多くの上司の方は、さまざまな研修を受講し、1on1を理解されています。しかし、「できる」までなっていなかったり、実施したことにしていたりする場合も散見されます。まずは実践・継続しましょう。

 

1on1の定義は種々ありますが、「部下の成長支援を目的に、上司と部下が1対1で定期的におこなう対話」です。上司のための対話ではないことに留意する必要があります。

 

あなたが実施した直近の1on1を思い出してみましょう。「9つの心得」はできていたでしょうか? この点を意識するだけでも変わっていきます。ぜひ意識して臨んでみましょう。