「とくに強い希望はありません」「将来は辞めるつもりです」……一昔前までは胸に秘めておく人も多かった「会社にとってはマイナスな意向」を、上司との1on1ミーティングで躊躇いなく話す部下が増えているようです。現場で部下に接する上司は「えっ!」驚くかもしれません。しかしここは無理にでも平気な顔をして、粛々と対応しましょう。本記事では、小川隆弘、氏による著書『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)から一部を抜粋・再編集し、部下の悩み別に具体的なキャリア支援を解説していきます。
いずれ辞めようと思っています…将来的な退職を堂々宣言する部下、「胸に秘めておけよ」と思いきや上司は「もはや慣れたもの」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「とくに強い希望はありません」…キャリア希望をいわない部下

キャリア希望をいわない部下は2通りあると考えます。

 

1つ目は、いまのところキャリア希望がなく、現状のままでよいか、現場の部署で昇格昇進をなんとなく希望している場合です。ワークライフバランスを重視する部下に多いと思われます。「とくに強い希望はありません」とか、「現状のままでがんばります」といった部下です。このような部下は、ワークライフバランスの満足度が高まることで、会社へのエンゲージメントも徐々に高まる場合があります。支援を続けていると、昇進昇格を目指す部下も出てきて、チーム全体の活性化にもつながります。

 

2つ目は、上司を信頼していないか、キャリア希望を上司に伝えたくない部下の場合です。無理にキャリア希望を語ってもらっても、意味がないと思います。要は上司を信頼していません。1on1を粛々と実践しながら、安全安心の場づくりに注力しましょう。

「将来は辞めるつもりです」…いずれ退職したいという部下

「いずれ辞めようと思っています」という部下の場合、背景にはそれぞれの事情があると考えられます。個別性が高く一元的な対応はむずかしいです。

 

このような発言をする部下とは信頼関係が比較的できている場合が多いでしょう。「びっくり退職」をする部下とは対極にいます。引き続き、語りを促し傾聴し、安全安心の場を提供することで信頼感がさらに高まり、よい方向にいくこともあります。部下の語りを傾聴しているあいだに、オートクライン効果で部下自身の内省も進むことでしょう。

 

部下自身の方向性が明確になってからキャリア支援を実施しましょう。