チームで仕事をするうえで、メンバー同士が自由に意見を言い合える雰囲気は重要です。しかし、実際にはなかなか本音を言い出せなかったり、意見が対立することを恐れて沈黙してしまったりするケースも多いのではないでしょうか? 本記事では小川隆弘、氏による著書『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)から一部を抜粋・再編集し、上司が目指すべき「心理的安全性の高い」チームについて詳しく解説します。
部下が閃いた「いいアイディア」を上司に伝えない「あっけないほど単純な理由」【外資系メガファーマ・元営業所長が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

事例1:「心理的安全性が低い」チームにいる社員Iさん

「先日の地域フェスタで、いいヒントを見つけたなぁ。うちの商品も、あのフェスタで紹介されると売り上げが伸びるのになぁ。けっこういい案だと思うんだけど……でもAさんにいっても、Bさんにいっても、ましてやC課長にいっても、まともに取り合ってくれないだろうなぁ。『上を説得するのは大変なんだ』っていってたし。AさんもBさんも抱えている仕事でいっぱいいっぱいみたいだし。余計な仕事増えるしなぁ。この案やってみる価値はあると思うんだけど、むずかしそう。いままでやってたこととは違う企画だし。仮に提案したとしても、『じゃあ、きみが責任もってやってよ!』って、間違いなく丸投げされるよなあ。誰も余計なことはしたがらないし。やっぱりいうのやめよう」

 

このように考えたIさんは挑戦を避け、新奇(目新しい案)を歓迎しませんでした。提案しやすさや話しやすさがなく、お互い助け合うチームではないと感じているためでしょう。

事例2:「心理的安全性が高いチーム」にいる社員Jさん

「先日の地域フェスタで、いいヒントを見つけたなぁ。うちの商品もあのフェスタで紹介されると売り上げが伸びるのになぁ。けっこういい案だと思うんだけど……そうだAさんに相談してみよう。親身になって相談に乗ってくれるからなぁ。Bさんはマーケティングの人をよく知ってるから、もっといいヒントにつながるかも。C課長はいいアイデアないかって最近いってたから、会議の議題に出してくれるかも? うちの部署では新しい企画を『みんなでやろうキャンペーン』ってやってるし。この企画だとみんな乗ってきて、議題で取り上げてくれるかも? DさんもEさんも地元にコネがあるし、みんなに相談して会議で提案してみよう」

 

社員Jさんは新しいことをやってみようと新奇を歓迎し、挑戦に前向きです。チームメンバーに話しやすさや提案しやすさがあり、いざというときお互い助け合うチームに所属していると感じています。心理的安全なチームにいると考えているためです。

 

もちろん私たち上司が目指すべきは、このような心理的安全性が高いチームですね。