「黒字倒産」の本当の意味
現行の会計制度では、損益計算書が黒字でも資金繰りが付かずに倒産することを「黒字倒産」と言っています。
しかし、一般的に考えると「利益のお金」(黒字)以上に現金を使うためには、「借金のお金」(赤字)で帳尻を合わせるしかありません。つまり、利益のお金で資金繰りが付かないということは、財政状態は赤字であるということです。
経営成績が黒字であるにもかかわらず倒産してしまうのは、現行会計制度のルールが「利益と現金は一致しない」と考えられているためです。
しかし、時点利益資金会計では「本当の利益と利益のお金はイコールで繋がるもの」と考えているため、黒字倒産という言葉はなんとも奇妙なものに感じるのです。
本当に黒字ならば、資金繰りに詰まることはあり得ません。現行の会計制度が期間損益だけを重要視したため、財務の原則である「本当の利益と利益のお金はイコール」だということに気付いていないのです。損益計算と資金計算が別物であると考えている限り、黒字倒産の悲劇はなくならないでしょう。
「我が社は黒字決算です」「我が社の自己資本比率は50%を越えています」とおっしゃる会社の財務を時点利益資金会計の倒産防止管理表を用いて資金分析すると、ほとんどの社長さんが驚かれます。
なぜなら、今まで黒字だと思っていた会社が、実は赤字であることが一発で分かってしまうからです。
「黒字決算」や「自己資本比率」などという言葉は、現行の制度会計上の期間損益計算の結果を基に作成された財務諸表の数値による判断です。会計を知らない一般の人から見たら、「なぜ、黒字決算の会社が倒産してしまうのだろう?」と不思議に思うのではないでしょうか? その原因は、現行会計の考え方と一般の人の考え方に差異が生じているためです。
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