(※写真はイメージです/PIXTA)

バブルはもう遠い昔の話。社会人としては「中堅」ともいえる30代会社員に現況を聞くと、厳しすぎる「お金事情」が浮き彫りになりました。国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年)などをもとに解説していきます。

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    結婚はしたいけど、お金がなくて将来のことを考えられない…

    Aさんの主張も無理はありません。日銀の発表によるとバブル期の預金金利は5%~6%にまで上っていました。一方、現在は定期預金ですら、0.1%を割ることが「普通」です。

     

    金利が6%の場合、100万円の預金が10年後には約180万円にまでなります。ただお金を預けておくだけで、勝手に成長してくれていました。

     

    昔は貯金そのものが「投資」といえる環境だったといえます。しかし超低金利が続くなか「貯金」のあり方は大きく変わり、いまや「ただただお金を預けておく倉庫」です。代わって、初心者でも簡単な投資信託などを勧める金融機関が多く台頭していきました。

     

    しかし投資に抵抗感を抱く人はいまだ多いもの。「怪しさしかない」「騙されるに決まっている」といった声も聞かれます。とはいえ世界で名を連ねる資産家や一般的に「富裕層」と呼ばれる人々の多くは、株式投資や不動産投資などを活用し、積極的に資産を組み替えていることも事実。重要なのは「投資に対するスタンス」といえそうです。

     

    最後にAさん、こんな思いを吐露しました。

     

    「お金がないのでどうにか増やしたい。家族を安心させたい。転職でもすればいいんでしょうか。最近、やたらめったら資格を取っていた友人の気持ちがよく分かります。でも僕の履歴書には、普通免許と、この前受験したTOEICの点数しか書くことがありません」

     

    「投資も結局、あんまり意味がない気もしています。正直わかってます。投資で一攫千金なんて夢のまた夢で、節約して働いて貯めて、コツコツ増やしていくしかないんですよね。給料を上げてほしいと心の底から願っています」

     

    「僕みたいな人、いっぱいいるんじゃないですかね。結婚はしたいけど(もしくは結婚したけど)、お金がなくて、将来のことを考えられない人。日本で少子化が進んでいることが度々話題になりますが、単純にお金がないんだと思います。自分の生活で、精一杯なんです」

     

    無責任に産めないから…、と子どもを諦める人は多いもの。そんななか発表された2023年の出生数は、72万7,277人でした。前年と比べると4万3,482人減少しています。

     

    歯止めのかからない少子化。国や自治体はさまざまな打開策を打ち出していますが、今後効果は見られるでしょうか。

     

    子育てしやすい街づくり、といったところ以外に、賃金状況の改善や働き方の抜本的な改革が求められています。

     

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