事例:前夫が再婚して子供が生まれた場合、養育費は減る?
CASE:離婚して子供の親権を取得し、シングルマザーとして子育てしています。前夫からは毎月決まった養育費が支払われています。ところが先日、前夫が別の女性と再婚し、子供が生まれたことが判明。私の子は、これまでどおり、養育費を払ってもらえますか?
ANSWER:前夫が別の女性と結婚した場合、その女性に収入がなかったり、2人の間に子供が生まれたりすれば、当然に前夫は新しい家庭の妻子について扶養義務を負います。その時の前夫の収入にもよりますが、これまでに払っていた養育費の金額は減る可能性が高いです。
ただし、自動的に減るのではなく、話し合いや調停などで新たな金額を決めることになります。
あなたを守る法律
「家事事件手続法」第289条 義務の履行状況の調査および履行の勧告
1 義務を定める第39条の規定による審判をした家庭裁判所は、権利者の申出があるときは、その審判で定められた義務の履行状況を調査し、義務者に対し、その義務の履行を勧告することができる。
解説:養育費の内容は合意すれば自由
養育費は、両親が離婚した場合に、未成熟子が成長するために必要な金銭で、衣食住にかかる費用や教育費、医療費などを含みます。
離婚すると、親権を取得した側は、子育てに時間を取られ、十分な収入を得ることができないことが多いです。そのため、親権者ではない親が養育費を支払うケースが多くなっています。
養育費の払い方、金額、払い終わりの時期などは、父母が合意すれば自由に決められます。その場合、養育費を確実に支払ってもらうためにも、公正証書にしておくことが望ましいです。
しかし、そもそも父母の感情が対立して離婚に至ることが多いため、養育費の条件について揉める場合も少なくありません。そのような場合は、離婚調停を申し立てて、その中で養育費の条件を決めます。または、養育費以外の離婚条件で合意できるのであれば、家庭裁判所に対し、養育費請求調停を申し立てて養育費の条件を決めるのがおすすめです。
調停で合意に至らない場合は、審判という簡易な裁判に移行し、双方の資力状況に応じて裁判所が金額を決めてくれます。
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