「もはや年金は期待できない」のか?現況を見てみると
高年齢者雇用安定法が改正され、70歳まで働き続けることが国主導で推進されている現在。超高齢社会で老い先への不安が高まる今、「自助努力」を求められている感覚は否めません。
「もはや年金には期待できない」のでしょうか? 厚生労働省『令和4年 年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)』より、まずは年金受給の実態を見ていきましょう。
■公的年金の受給状況
男性の場合、年金受給額で最も多かったのは年間「200~300万円」(47.4%)、次に「100~200万円」(31.8%)でした。年齢階級別にみると、85~89歳が平均額が最も高く、半数以上が「200万円以上」の年金を受給しています。
女性の場合、最も多かったのは「100~200万円」(37.5%)で、「75~100万円」(26.7%)と続きます。年齢階級別にみると、90歳以上が平均額が最も高く、半数以上が「100万円以上」の年金を受給しています。
200万円の場合、月々の収入は16.5万円ほど。家賃や負債のない単身世帯や、夫婦2人とも厚生年金と国民年金をしっかり受け取っている世帯なら安心して暮らせるかもしれませんが、実際、そう上手くはいきません。
一方の支出額はどうなっているのか? 配偶者あり世帯において、本人及び配偶者の支出額階級(月額)別構成割合をみると、「15~20万円」(19.5%)が最も多く、次いで「20~25万円」(17.1%)となっています。支出額(月額)の中央値は「18.3万円」。年齢が高いほど平均支出額は低くなっています。
配偶者なし世帯を見てみると、男性では「10~15万円」(23.7%)が最も高く、次いで「15~20万円」が19.1%となっています。また、女性では「10~15万円」(25.3%)が最も多く、次いで「5~10万円」(23.1%)となっています。支出額(月額)の中央値は男性では「14.3万円」、女性では「12.2万円」です。