(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年)より、「平均」からは見えてこない、日本人のリアルなお金事情について見ていきます。

「中間層の拡大」…眼前に現れるのは「恐ろしい格差」

現政権は「中間層の拡大」を掲げてきましたが、効果には疑問の声も。はたして「中間層の拡大」は実現しているのか、現状を見ていきましょう。

 

まずは業種別の平均給与。国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年)によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与について、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の747万円。「金融業、保険業」656万円、「情報通信業」632万円と続きます。最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」の268万円。諸手当を含んだ金額であることを踏まえると、かなり厳しい現状が見て取れます。

 

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電気・ガス・熱供給・水道業……747万円

金融業,保険業……656万円

情報通信業……632万円

学術研究,専門・技術サービス業・教育,学習支援業……544万円

製造業……533万円

建設業……529万円

複合サービス事業……506万円

運輸業,郵便業……477万円

不動産業,物品賃貸業……457万円

医療,福祉……409万円

卸売業,小売業……384万円

サービス業……377万円

農林水産・鉱業……337万円

宿泊業,飲食サービス業……268万円

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全体平均 458万円

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業種間格差が鮮明になっていますが、それぞれの業種について「年収のボリュームゾーン」はどこかを見ていくと、また違った様相がうかがえます。

 

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電気・ガス・熱供給・水道業……1位「800万円超/43.5%」、2位「600万円~699万円/16.6%」

金融業,保険業……1位「800万円超/28.1%」、2位「400万円~499万円/14.4%」

情報通信業……1位「800万円超/23.7%」、2位「400万円~499万円/17.0%」

学術研究,専門・技術サービス業・教育,学習支援業……1位「800万円超/19.1%」、2位「400万円~499万円/14.3%」

製造業……1位「400万円~499万円/16.2%」、2位「800万円超/15.6%」

建設業……1位「400万円~499万円/18.5%」、2位「300万円~399万円/17.1%」

運輸業,郵便業……1位「300万円~399万円/20.3%」、2位「400万円~499万円/20.1%」

不動産業,物品賃貸業……1位「100万円~199万円/17.0%」、2位「200万円~299万円/15.8%」

複合サービス事業……1位「600万円~699万円/15.2%」、2位「400万円~499万円/14.0%」

医療,福祉……1位「300万円~399万円/23.0%」、2位「400万円~499万円/18.8%」

卸売業,小売業……1位「100万円~199万円/18.9%」、2位「200万円~299万円/15.2%」

サービス業……1位「200万円~299万円/20.1%」、2位「300万円~399万円/17.5%」

農林水産・鉱業……1位「200万円~299万円/22.8%」、2位「100万円~199万円/22.5%」

宿泊業,飲食サービス業……1位「100万円以下/28.4%」、2位「100万円~199万円/22.5%」

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「電気・ガス・熱供給・水道業」の高額っぷりに驚いた方も少なくないでしょう。

 

厳しい数字を記録しているのが、やはり「宿泊業,飲食サービス業」。本調査、「1年を通じて勤務した給与所得者」を対象に集計しており、正規・非正規の垣根はありません。飲食業に関しては、パートタイムで働く方々が多いのも関係してはいるものの、それでもなお、業種間格差をあまりに痛感してしまう数値です。

 

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