日本人オーナーの物件、ガッカリのあとのうれしい展開
ある日本人のオーナーの売却物件は、上記のような厳しい状況にありながら、円安傾向がプラスに働いて購入希望者の値下げ交渉が許容できたことで、一度は契約成立の流れになりました。しかし、買い手の資金繰りがうまくいかず、契約解除となってしまいました。
延長依頼も受け、待っていたのに解約か…と落ち込みましたが、そんな思いもつかの間、1週間もたたないうちに、最初の契約解除を聞きつけた別のセールスマンがオファーを持ちかけ、なんと最終的には3者からオファーが! マルティプルオファーというのですが、それぞれ競い合ってベストオファーを出し、3者の契約内容を吟味できることとなりました。結果、3者とも解除になった契約より価格が上です。なんと運のよいことでしょう。
3者の具体的な契約条件の内容ですが、下記のようになっています。
①…提示金額がいちばん安いが、条項はなし。
②…提示金額はいちばん高額で期待通りだが、条項が複数出されている。
③…価格は3者の中間だが、資金繰りに問題なし。条項は2つついている。
通常は、①のように無条件で買ってくれる方を選ぶのが得策です。しかし、あまりにも②③の方がよい金額を提示するため、せっかく無条件でのオファーではありますが、候補としてはいちばん最後です。
吟味の結果、契約解除となってしまった最初の交渉相手より5万NZドル高い金額を提示した③の交渉相手に心が動いたものの、やはり資金繰りに問題ない相手のほうが確実であるとのことで、家主様は②のオファーを選択することになりました。
オファー1つなら悩む余地なく話が進むのですが、3つも出ると決断は難しくなります。この物件に関しては、さらに4番目の買い手候補も出るかもしれず、いまもまだ目が離せない状況です。