会社員なら「2種類以上の年金」を受け取ることができる…必ず知っておきたい、公的年金の基礎知識【CFPが解説】

会社員なら「2種類以上の年金」を受け取ることができる…必ず知っておきたい、公的年金の基礎知識【CFPが解説】
(画像はイメージです/PIXTA)

私たちの定年後の生活を支える公的年金。少しでもお得に受け取るには、どうしたらいいのでしょうか。ここでは、公的年金の仕組みについて見ていきます。本連載は、ファイナンシャルプランナーの福地健氏監修の書籍『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2024-2025年最新版』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。

会社員は2種類以上の年金が受け取れる

公的年金制度は、原則日本に居住している20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(老齢基礎年金)」と会社員などが加入する「厚生年金(老齢厚生年金)」の2階建ての構造となっています。そのため、会社員の場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つを受け取ることができます。さらに勤務先に「企業年金」の制度がある場合は、3つの年金を受け取れます。

 

受給開始は、原則65歳からですが、年金を受け取るには、請求手続きが必要です。万一、請求し忘れていることに気づいたら、繰下げ受給で対応するか、さかのぼって一括で受け取ることもできます。

 

[図表1]公的年金は働き方でもらえる年金が変わる

会社員は高収入ほど年金受取額がアップ

国民年金の加入者は、職業によって3つに分類されます。自営業者などは第1号被保険者、会社員や公務員は第2号被保険者、専業主婦(夫)は第3号被保険者に区分されます。この区分によって、保険料や年金額に違いがあります。

 

第1号被保険者は、毎年改定される保険料が一律で決まっています。第2号被保険者の場合は、給与や賞与に一定の保険料率を掛けて算出した保険料を、会社と折半で支払うため、給与が高いほど保険料も高くなります。

 

その代わり、受け取れる老齢厚生年金は支払額に応じて増額されます。また、60歳を過ぎても、70歳未満であれば、厚生年金に加入して、年金額を増やすことができます。第3号被保険者は、保険料を支払う必要がありません。

 

[図表2]国民年金の加入者は職業などにより3つに区分される

* 1956年4月2日以降生まれの人の金額。1956年4月1日以前生まれの人は81万3700円
注:2024年4月時点

年金を受給するための受給資格期間とは?

国民年金保険料を納付した期間や保険料免除期間と、厚生年金加入期間などを合算して10年以上あれば、年金を受け取ることができます。

 

[図表3]年金を受給するための「受給資格期間」

*1 受給資格期間には、以下の期間も含まれる

・保険料の免除や納付猶予を受けていた期間
・カラ期間(会社員や公務員の配偶者が1961年4月から1986年3月までに年金に未加入だった期間等)

・納付猶予期間(追納がない場合)やカラ期間は受給資格期間には含まれるが、年金額には反映されない

*2 共済年金は2015年10月1日から厚生年金に一元化された
*3 2017年8月1日から改正された(改正前は原則25年以上)

 

 

福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)

 

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※本連載は、福地健氏監修の書籍『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2024-2025年最新版』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。

いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2024-2025年最新版

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監修:福地 健

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