コスト削減のために、「二束三文」でもとにかく売却
第1回、第2回で開設したように、①地方の別荘地等、②リゾートマンション、③田畑については全く策のないまま売りに出しても、買い手を見つけることが非常に困難な状況となっています。
では、こうしたお荷物不動産を相続の前にスムーズに処分するためには、どのような手段を講じればいいのでしょうか。
まず、いずれについても価格は度外視して、二束三文でしか売れないことを覚悟して、とにかく売りに出すことが大切です。
リゾートマンションなどは買ったときの価格が億近くしたようなものもあるかもしれません。それを、ただ同然で売ることに対しては当然、ためらいもあるでしょうが、持ち続けていても何の利益ももたらされません。それどころか、管理費等のコストがいたずらにかかるだけです。「持ってけ、泥棒!」ぐらいの気持ちで、思いきって売ってしまいましょう。
別荘地は「隣地の所有者」が購入してくれる可能性も
また、①地方の別荘地等については、「隣地の所有者に売却する」という選択肢も考えられます。隣地のオーナーが別荘などを建てて暮らしているような場合には、「もっと土地を広げてゲストハウスを増設したい」などと思っている可能性もあります。「実は、うちの土地を売ることを考えているのですが・・・」などと話をもちかけてみたら、すんなりと買い取ってもらえるかもしれません。
③田畑については、先にも触れたように農家に売るしか選択肢がないものもあります。その場合に、心がけておきたいのは、「土地を荒らさないようにしておく」ということです。田畑は手入れを怠ればすぐに雑草などが一面いっぱいにはえてきます。農地として売る以上は、米や野菜をいつでもつくれる状態が保たれていなければ、全く見向きもされないおそれがあるでしょう。