「子育て中だから…」という弱点をアピールポイントに変換
共働き世帯やひとり親世帯が増え、子育て中の人にも働いてもらいたいという企業も多くなりました。
具体的にどれくらいの時間働けるか、お子さんのことでどれくらい仕事に支障が出るのかといったことが、面接官は大変気になります。会社のために、そして自分や子供のためにどのような働き方がよいかを、現実的かつ具体的に話せる人が求められます。また、仕事の効率も見られています。いかに労働生産性があるかをアピールしましょう。
面接官:「お子さんが病気になったらどうしますか?」
■NG回答の例
「大丈夫です。うちの子供はこれまで【❶病気になったことがありません】ので。たとえ病気になったとしても、【❷近くに病院もあります】ので、心配いりません。【❸なんとかなる】と思います。」
× ❶⇒これまでそうだとしても、これからのことが言えていない
× ❷⇒具体的にどのような病院か言えておらず、信ぴょう性が薄い
× ❸⇒なんとかなるは、なんとかならない
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<採用に近づくヒント>
自分の子供が病気になったときのことを想定でき、そういった緊急事態にもあらかじめ対処できる危機管理能力が問われています。また、突発的な事態にどうすれば仕事への影響が最小で済むか、未来予測能力も見られているといってよいでしょう。
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■OK回答の例(1)
「はい、これまでも【①熱が出た場合などが何度かございました】。【②かかりつけの病院があります】ので、通常の場合はそこで【③預かっていただけます】。夫は出張が多いのですが、【④日頃から家事や育児にも協力的です】。子供が病気になることで【⑤ご迷惑をおかけすることもありますが】、【⑥夫だけでなく遠方の両親も応援に来てくれます】ので、大丈夫です。」
◎ ①⇒正直に答えており現実的
◎ ②⇒かかりつけの病院があることを伝え、問題ないことをアピールできている
◎ ③⇒さらに預かってもらえることも伝えられている
◎ ④⇒家族の協力があることで安心できる
◎ ⑤⇒会社に配慮した言葉
◎ ⑥⇒ここまで言えると安心が伝わる
■OK回答の例(2)
「【①子供にはアレルギーがあります】ので、普段から体調に気をつけるようにしています。【②子供自身も発作が出たときはどの薬を飲めばよいかなどちゃんと理解しております】。【③学校の先生にも事情を話してあります】ので、なにかの事態にはすぐに連絡があります。これまで、【④子供が入院するといったことはありません】。もしものときのために、【⑤ママ友のネットワークを作っております】ので、特に仕事に支障はありませんのでご安心ください。」
◎ ①⇒持病を持っていることを正直に伝えている
◎ ②⇒子どもの話から、応募者が子育てをしっかりしていることが伝わる
◎ ③⇒先生と連携が取れていることから、仕事ができる人という印象
◎ ④⇒面接官の心配を払拭できている
◎ ⑤⇒ここまで言えると安心が伝わる
面接官:「残業はできそうでしょうか?」
■NG回答の例
「残業は【❶できません】。保育園のお迎えがありますので、【❷定時で帰らせていただきたいのです】。今回の求人は、【❸『子育て応援求人』と聞いたので応募した】のですが、違うのでしょうか。」
× ❶⇒面接官の質問にいきなりNoと言っている
× ❷⇒自分の要望だけを伝えている
× ❸⇒「子育て応援求人」だからといってすべてが応募者の希望通りになるわけではない
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<採用に近づくヒント>
会社は仕事で貢献してくれる人を採用します。子育てをしながら仕事をすることが大変なことも重々承知です。そのうえで、どれだけ貢献できるのかをアピールし、自分の要望についても面接官と交渉をする姿勢を持ちましょう。
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■OK回答の例(1)
「そうですよね、【①残業はありますよね】。お迎えの時間がありますので、定時に終了すると間に合います。どうしても残業になる場合は、【②早めに言っていただけますと保育園にも連絡ができますので助かります】。また、これまでも残業しなくても済むように、朝の時間で【③仕事の段取りをつけて計画的に仕事をこなしてきました】。子育てをするようになって、【④効率的に家事もこなせるようになりました】。今後も、効率よく仕事を行い、極力残業しない仕事の仕方をしたいと考えております。」
◎ ①⇒面接官の言葉を受け入れている
◎ ②⇒残業の対処について具体的なお願いを伝えられている
◎ ③⇒残業をしない仕事の仕方をアピールできている
◎ ④⇒子育てをしてきたことが、今後効率的な仕事ができる秘訣だとアピールできている
■OK回答の例(2)
「【①大変申し訳ございません】、残業については子供のお迎えがございますので難しいです。これまでも、残業は極力しないように【②効率的にこなしてきました】。どうしても残業しなければならないときは、他の人に頼むこともありました。ですが、【③丸投げするのではなく、頼みやすいように仕事の簡単な部分をお願いしたり、量を少なくしたりしてお願いをしてきました】。もちろん、後でお礼も欠かさず【④人間関係は良好に保っておりました】。【⑤2年後は子供も小学生になりますので、残業は可能です】。ただ、その頃には私も【⑤仕事に慣れていることですので、さらに手際よくできている】のではないかと思います。」
◎ ①⇒申し訳ないといった姿勢が伝えられている
◎ ②⇒これまでも効率的に仕事ができていたことをアピールできている
◎ ③⇒具体的にどのようにしてきたかを伝えられている
◎ ④⇒人間関係についても残業の解消と合わせてアピールできている
◎ ⑤(2ヵ所)⇒長期的な視点について答えることができている
中園 久美子
キャリアコンサルタント・講師、キャリアクレッシェンド代表
経理専門学校卒業後、大手通信社勤務を経てパソコン講師として活動。子育てや夫の転勤に伴い、何度も転職を余儀なくされる。現在はキャリアコンサルタントとして多くの面接指導を行っている。
著書に『それでも書類選考で落とされない履歴書・職務経歴書の書き方』(日本実業出版社)、『【完全攻略】オンライン・WEB面接「リアルじゃない」を武器にする内定獲得ノウハウ86』(ダイヤモンド社)がある。
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