年収3,000万円のエース社員「給与が1/4」になったワケ
不動産業界で働く男性。給与は「固定給+インセンティブ」。成績をあげればあげるほど、給与が増えるというシステムです。そこで彼は年収3,000万円超えのエース社員だったとか。
自宅は、東京ベイエリアに建つタワーマンションの30階、3LDKの80平米、家賃は月額50万円。共有部にはラウンジやスポーツジムもあり、まさに「勝ち組」だけに許された住まいです。ここで夫婦と4歳の息子の3人で暮らしていました。
事の発端は、妻の母親の介護。脳梗塞の後遺症で麻痺が残り、人の手を借りなければ毎日の生活も困難に。本人は施設への入居を検討していると言っていましたが、「お母さんの介護は私が」と妻が手を挙げたのです。先に亡くなった妻の父親は晩年、施設に入所。妻は「ずっと家に帰りたいと言っていたのに、叶えてあげることができなかった」と後悔の念を抱いていました。そのため施設に入るという母を静止し、実家に戻る選択をしたのです。もちろん妻が強行したのではなく、男性のほうから「実家に戻ってお義母さんを支えてあげて」と提案したのだとか。
ただ一番の問題は4歳の息子。妻と一緒に行っても迷惑になるだけなので、息子は自宅に留まることに。タワマンで父子、二人暮らしのスタート。なんとか家事をこなすことはできても、仕事への影響は大きく、これまでのように「お客様のためなら、休みの日でも、どこにでも」というスタンスではいられなくなりました。
――(保育園で過ごす)息子を迎えにいくために18時定時には帰宅したいし、土日休みには妻のいる実家に行きたい……
これまで通り営業職ではとても叶えられないと考え、会社に相談のうえ部署異動。結果、給与からインセンティブ分は消え、年収は4分の1に。そうなると、今まで通り、東京ベイエリアのタワマンにも住んでいられず、家賃はこれまでの3分の1以下となるファミリー向けマンションに引っ越したという顛末です。
どんな高給取りであろうと、思わぬ事態で給与が激減。これまでの生活が維持できなくなることがあります。このときポイントになるのが、生活水準の見直し・変更。生活水準を下げることは言葉にする以上に難しいことですが、迅速に行うことができれば、家計破綻を防ぐことができるでしょう。
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