
同居する義母が認知症…嫁「限界」と悲鳴
厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、要介護者と同居している主な介護者の性別は、女性が68.9%を占めており、続柄では「子」が最も多く22.9%を占めています。
また介護時間については、「必要なときに手を貸す程度」が45.0%で最も多く、次いで「ほとんど終日」が19.0%となっています。特に要介護度が3以上の場合、「ほとんど終日」の介護が必要とされることが多く、介護者の負担が大きいことがわかります。
【介護度別主な介護者の「介護時間」】
・要介護1
ほとんど終日…11.8%、半日程度…8.9%、2~3時間程度…12.4%
・要介護2
ほとんど終日…17.0%、半日程度…12.3%、2~3時間程度…16.4%
・要介護3
ほとんど終日…31.9%、半日程度…21.9%、2~3時間程度…11.5%
・要介護4
ほとんど終日…41.2%、半日程度…20.0%、2~3時間程度…9.4%
・要介護5
ほとんど終日…63.1%、半日程度…17.2%、2~3時間程度…9.1%
杉山大輔さん(仮名・49歳)。母・里子さん(仮名・79歳)は、認知症の進行により、1年前に要介護3認定を受けました。認知症による要介護3とは、どの程度の症状かといえば、日常生活においてほぼ全面的な介護が必要な状態。
身体的な制約としては、自力での立ち上がりや歩行が困難で、トイレや入浴、食事などの日常生活動作において介助が必要です。着替えや歯磨きなど、身の回りのことにも他者の手助けが不可欠に。認知機能の面では、理解力や記憶力が著しく低下し、見当識障害や実行機能障害が見られることが多いです。認知症の症状として、徘徊や妄想、大声を出すなどの問題行動が頻繁に発生します。24時間体制での介護が必要となり、家族だけでの在宅介護は非常に困難となります。
元々、大輔さん家族と里子さんは同居していましたが、里子さんが認知症を発症してから関係がギスギスしだし、大輔さんの妻が限界に。
――あなた、もう限界。お義母さんに施設に入ってもらおう
自分の親を老人ホームに入居させることに、大輔さん自身は抵抗感があったといいますが、里子さんの介護はもちろん、家事や子育ても全面的にお願いしている身。限界だという妻を無下にすることはできません。