タワマンで優雅な暮らしを営んでいたA夫妻だったが…
金銭的な問題や晩婚化、女性の社会進出などさまざまな背景から、「子どもを持たない夫婦」が増えています。
実際、国立社会保障・人口問題研究所が2021年に行った調査※によると、結婚持続期間15年~19年の夫婦で子どもがいない割合は7.7%と、1977年の3.0%に比べるとその割合が増加していることがわかります。
※ <参照>「2021 年社会保障・人口問題基本調査 <結婚と出産に関する全国調査> 第16回出生動向基本調査 結果の概要」
年収1,500万円の会社員で、51歳の夫・Aさんと、Aさんの扶養に入っている48歳の妻・Bさんも、そんな「子どもを持たない夫婦」のうちの1組です。
2人が結婚したのは、Aさんが37歳、Bさんが34歳のころでした。子どもを望み不妊治療を続けていたものの、なかなか実を結ばず、やがて「これだけ頑張っても苦しむくらいなら、2人の生活を思い切り楽しもう」と決断したそうです。
Aさんは年収が高く、子育ての費用も不要になったことから、住む場所にもお金をかけようとBさんと話し合い、住まいを賃貸のタワーマンションに移したそうです。Bさんはパートとして働いていた時期もあったものの、ここ最近は専業主婦として家庭を支えていました。
しかし……。2人きりで優雅な暮らしを営んでいたある日、夫・Aさんがくも膜下出血で急逝。Bさんは48歳にして、突如ひとりきりでの生活を強いられることになったのです。
愛する夫を突然失った悲しみに加えて、専業主婦のBさんは毎月の収入が途絶えることに大きな焦りを感じていました。このままでは老後の生活も不安になりそうです。
なんとか葬儀を終えたBさんは、まず、遺族年金の受給手続きを行うため年金事務所に駆け込みました。