現金を持つより不動産を持ったほうがいい時代
不動産投資へのアレルギーとともにもう1つ、根深く残っている考え方として「現金主義」があります。
バブル経済の崩壊とその処理の失敗以降、日本は後に「失われた30年」と呼ばれる長期デフレに陥りました。他の先進国が成長する中で日本だけが経済成長を遂げられませんでした。
2000年にはG7の中でもっとも豊かな国だったはずの日本は、たった23年間のうちにもっとも貧しい国になってしまったのです。
このマイナス成長の約30年の間、日本では投資よりも貯金こそが安全資産とされていました。現金を持っていることが一番安全で、投資よりも貯金のほうが資産を確保できると考えられてきたのです。
しかし、その時代はもう終わりました。ロシアーウクライナ紛争以降、日本のモノの価格は上がり続けています。モノの価格が安くなるデフレとは異なり、コストプッシュ型ではありますがインフレ傾向に転じているのです。
一方、金融機関の金利はメガバンクの定期預金でも0.002%。100万円を1年間預けても利息はたったの20円しか受け取れない事態が続いています。利回りを考えれば、もはや現金を預貯金にしてもモノの価格の上昇には対応できないのです。
そのことをわかっている政府は、日本人の意識を投資に向けようとNISAなどを推奨していますが、2023年3月末の時点でNISAの総口座数は1,237万口座、全人口の10%にも満たない状況です。
お金を現金で持つより、投資でモノに変えたほうが価値は上がるにもかかわらず、そのことに気づいていない人が多いのです。
オフィスビルの話で言えば、10年前に1億円で買えた物件は、現在では2億円を出さないと買えなくなっています。東京のビルの価格は10年前に比べて2倍近くに上昇しているからです。
仮に1億円を10年間、定期預金にしていたとしても2億円にはなりません。しかし、ビルの価格は上がっています。言い換えるなら、10年前の現金1億円は現在ではもう1億円の価値がないということです。
もし、あなたに数千万~数億円以上の内部留保があるのなら、おすすめは何かしらの「モノ」に変えて投資をすることです。理由は10年後にその内部留保が現在と同じ価値だとは限らないからです。あなたが内部留保を持っていればいるほど、失われていく価値は大きくなる(失う額も大きくなる)と考えていいでしょう。
青木 龍
株式会社Agnostri(アグノストリ)代表取締役社長
※本記事は『御社の新しい収益基盤を構築する 区分オフィスビル投資術』(ビジネス教育出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
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