親の相続において、きょうだいがいる場合、トラブルに発展するケースは少なくありません。揉めないよう、円満に相続するためにはどうすればよいのでしょうか? 本稿では、古尾谷裕昭氏監修の『生前と死後の手続きがきちんとわかる 今さら聞けない 相続・贈与の超基本』(朝日新聞出版)より一部を抜粋し、2つの事例をもとに遺産分割の進め方について解説します。

亡き母の財産情報を持って行方をくらました兄

Q、40代女性・会社員の相談

母が亡くなった後に兄である長男が、母の預金通帳や有価証券の情報と不動産の登記書類を持ち出したまま連絡が途絶えてしまいました。

 

遺産分割をしようにも相続財産の全体が把握できなくて困っています。自分は法定相続分だけもらえればよいと思っています。方法はないでしょうか?

 

A、税理士の回答

相続に強い弁護士や司法書士、税理士などのプロの力を借りるのが得策でしょう。

 

預金については金融機関に申し出て、口座の凍結と残高証明書の発行、解約と払い出しという一連の手続きが必要なうえ、有価証券の保有額の評価や不動産の評価額の割り出しなどは、専門的知識が必要で一般の方には扱いが難しいでしょう。

 

ましてや財産目録を確定する手がかりが不足している場合は、効率よく動いてくれるプロに頼るのがおすすめです。相続税申告の期限が迫っていればなおさらです。

実家に住み続けたい兄、売却したい弟

Q、39歳男性・会社員の相談

父が亡くなりました。相続人は母、長男、次男です。相続財産の大半は不動産で、現状1つの土地に両親宅と長男宅があり、すべて父名義でした。

 

私(長男)はこのまま住み続け、両親宅も売却は考えていませんが、弟は将来、両親宅を売却したいと考えています。うまく分割相続する方法はあるでしょうか?

 

A、税理士の回答

利用区分に応じて土地を分けてから分割相続する方法がよいでしょう。このケースの場合、まず、長男宅と両親宅の敷地を分けたうえで、長男宅部分は長男が相続し、両親宅部分は母、次男で共有とします。

 

両親宅部分については母親の生前に遺言書を作成し、次男に相続させる旨を記載しておきます。母の死後は遺言書に基づいて両親宅を次男が相続します。そうすることで、次男は相続後に売却することができるようになります。

 

 

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生前と死後の手続きがきちんとわかる 今さら聞けない 相続・贈与の超基本

生前と死後の手続きがきちんとわかる 今さら聞けない 相続・贈与の超基本

古尾谷 裕昭

朝日新聞出版

超基本シリーズ第8弾のテーマは「相続」。相続とは一体何なのか?から、個別の事例まで、"これが知りたかった!"がスッキリわかる。別冊には、「書き込み式エンディングノートドリル」つきで、今の自分や家族の資産や負債をま…

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